中国首相・李強氏、全人代で「正しい政績観」強調 党の自己統治を徹底へ
2026年3月5日、中国の全国人民代表大会(全人代)第14期第4回会議で中国首相の李強氏が政府活動報告を行い、幹部が「政績(成果)とは何か」を正しく理解する重要性を強調しました。党の全面的で厳格な自己統治を進め、権力行使の監督や腐敗対策を一段と強める方針も改めて示しています。
何が語られたのか:キーワードは「正しい政績観」
李氏は、情勢の変化や新たな任務に対応するには政府のパフォーマンス向上が必要だと述べました。そのうえで、各レベルの幹部は「習近平同志を核心とする党中央」と思考・立場・行動を一致させる必要があるとしています。
特に焦点となったのが、「正しい政績観(どういう成果が“良い仕事”なのかという見取り図)」です。李氏は、人民のために、困難な仕事をいとわず、客観的な法則(物事の成り立ちや現実の条件)に沿って成果を出すことが重要だと述べました。
党の自己統治:規律と作風の引き締めを継続
李氏は、党の全面的で厳格な自己統治を確実に進める「政治的責任」を幹部が負うと強調。中央の「八項規定(作風改善に関する規律)」の徹底も改めて求めました。
報告で示された方向性は、概ね次の通りです。
- 権力配分と行使に対する規制・監督の強化
- 党の作風(仕事ぶり)の改善に実質的に取り組む
- 清廉(汚職を許さない体制)の構築と腐敗の取り締まり
- 住民生活に直結する不正や不適切行為への対処
なぜ今、このメッセージが重いのか
全人代の政府活動報告は、今年(2026年)の統治の優先順位を示す場でもあります。そこで「成果の定義」を正す、という言い方が強調されたことは、単なるスローガンというより、行政評価や幹部の行動規範を現実に合わせて整える意図がにじみます。
「何を達成とみなすのか」が変われば、政策の進め方も変わります。例えば、目先の数値や短期の見栄えを追うよりも、住民の実感や制度運用の確かさを重視する設計に寄せる、という読み方もできます。
今後の注目点:監督強化は現場でどう形になるか
今回の報告は、方向性としては「監督の強化」「規律の徹底」「腐敗対策」をはっきり打ち出しました。関心が集まるのは、これが今後どの領域で具体化していくかです。
- 権限と責任の線引き:権力運用の監督を強めるとき、手続きの明確化が進むか
- 住民に近い課題への対応:生活に影響する不正や不適切行為の是正がどこまで可視化されるか
- 幹部評価の基準:「政績観」が、実務のKPIや現場判断にどう反映されるか
「正しい成果とは何か」をめぐる議論は、どの社会でも簡単には決まりません。今回のメッセージは、統治の基準を“見栄え”ではなく“実効”へ寄せようとする強い意思表示として、2026年の中国政治を見るうえで一つの軸になりそうです。
Reference(s):
Premier Li stresses correct understanding of governance performance
cgtn.com



