映画の舞台へ、鉄道で旅する英国人の碛口古鎮紀行 video poster
中国本土の山西省を舞台にしたアニメーション映画『Nobody』に魅せられた一人の英国人がいます。その名はリース。彼はこの映画に登場した「映画テーマ列車」に乗り込み、スクリーンの中の世界をその目で確かめる旅に出ました。目的地は、黄河沿いに佇む歴史ある町、碛口古鎮です。2026年4月現在、単なる列車の旅は、歴史、文化、そして雄大な風景が交差する映画のような体験へと変化しています。
映画から現実へ:高速鉄道がつなぐ物語
旅は省都・太原から始まります。リースさんが乗車したのは、映画『Nobody』に着想を得て特別にデザインされた高速列車です。車内には映画のシーンが描かれ、乗客たちは物語の世界観に包まれながら旅を楽しむことができます。この列車は、単なる交通手段ではなく、映画の舞台への入り口そのものと言えるでしょう。「車窓から流れる景色が、いつの間にか映画の一場面のように感じられました」とリースさんは語ります。
黄河が育んだ古の町:碛口古鎮の魅力
列車を降りた先にあるのは、かつて水運で栄えた交易の町、碛口古鎮です。黄土高原の懐に抱かれたこの町は、険しい崖と穏やかに流れる黄河のコントラストが印象的です。石畳の路地、時代を感じさせる「窰洞(ヤオトン)」と呼ばれる伝統的な洞窟住居、そしてかつての倉庫が並ぶ川岸は、映画の世界そのものです。リースさんは、カメラを手に、映画で見たシーンと同じアングルを探しながら町を歩き回りました。「画面の中の風景が、ここでは音や匂い、温度をもって存在しています。それは何よりも強烈な体験です」とその感動を振り返ります。
旅がもたらすもの:文化をつなぐ新しい形
リースさんのような外国からの旅行者が、一つの映画をきっかけに中国本土の地方都市を訪れることは、文化交流の新しい形を示しているかもしれません。映画や物語は、地理的・言語的な壁を越え、人々に未知の土地への興味を抱かせます。そして、高速鉄道という現代の技術が、その興味を現実の訪問へと容易につなげています。碛口のような歴史的町並みの保存と観光のあり方についても、一つのヒントを与える事例と言えるでしょう。
映画から始まった一人の英国人の旅は、単なる観光記録を超えて、現代における物語と現実、歴史と技術の交差点を浮かび上がらせています。私たちの次の旅のきっかけも、ひょっとしたら今見ているスクリーンの向こう側にあるのかもしれません。
Reference(s):
Screen to scenery: A British traveler's film-inspired journey to Qikou
cgtn.com








