カシュガルの夜:古代シルクロードの活気ある食文化 video poster
2026年の春、新疆ウイグル自治区カシュガルの漢バザールでは、日が暮れると古代からの賑わいが蘇ります。広い路地が焼き肉のグリルの炎で照らされ、煙たい羊肉の串焼きが炭火の上で脂を滴らせ、クミンと炭の香りが夜気に溶け込んでいます。家族連れや観光客、声を張り上げる店主たちが肩をすり合わせて行き交うその風景は、シルクロードの交易路が今も「食」を通じて脈打っていることを感じさせます。
煙と光に包まれる夜市
日没後の漢バザールは、まさに「食べ歩き」の王国です。道の両側にずらりと並んだ屋台では、羊肉や野菜を串に刺した「シシュケバブ」が絶え間なく焼かれています。店主の巧みな手さばきで脂が炎に落ち、パチパチという音とともに食欲をそそる香りが立ち上ります。明かりの下では、色とりどりのスパイスやナン(平焼きパン)、地元の果物が所狭しと並び、視覚的にも豊かな楽しみを与えてくれます。
シルクロードの味を伝える料理
この市場で提供される料理は、長い交易の歴史を反映しています。
- シシュケバブ(羊肉の串焼き):最も代表的な一品。羊の脂身と赤身のバランスが絶妙で、クミンや唐辛子などのスパイスが効いています。
- ポロ(ピラフ):羊肉とニンジン、米を一緒に炊き込んだ、ウイグル料理の定番。
- ナン:タンドール(かまど)で焼かれる分厚いパン。さまざまな種類があり、そのままでも、料理と一緒でも食べられます。
これらの味は、中央アジアから中東、そして中国本土へと続いたルート上で発展し、受け継がれてきた食文化の結晶です。
交差点としてのバザール
漢バザールは単なる食べ物屋台の集まりではありません。ここには、地元のウイグル族の人々はもちろん、中国本土からの観光客、海外からの旅行者も集まり、にぎやかな会話が飛び交います。店主たちの掛け声、焼き上がりの合図、客の笑い声が交錯するなかで、この場所が何世紀にもわたって人とモノ、文化の交差点であったことを実感できます。スマートフォンで写真を撮る若者や、家族で食事を楽しむグループの姿は、現代の営みが歴史の層の上に重なっていることを示しています。
かつてラクダの隊商が行き交ったこの地で、今は焼き肉の煙がシルクロードの息吹を伝えています。カシュガルの夜の市場は、遠い過去と現在を「食」という普遍的な楽しみで結びつける、生きた文化遺産と言えるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








