EUの中国製インバーター制限に中国が反発、「高リスク国」指定は不当と主張
欧州連合(EU)が中国をいわゆる「高リスク国」に指定し、中国製のインバーターを使用するプロジェクトへの資金援助を制限する方針を示しました。これに対し、中国商務省は「根拠のない指定であり、差別的な処置だ」として強い拒絶反応を示しています。
議論の焦点となる「インバーター」とは
今回の制限の対象となっている「インバーター」とは、太陽光パネルで発電された直流電力を、家庭や工場で利用可能な交流電力に変換するための装置です。再生可能エネルギーの導入において欠かせない重要部品であり、現在、中国本土の企業が世界的に高いシェアを誇っています。
中国側が主張する「不当な差別」
中国商務省の報道官は、EUの決定について以下のような懸念を表明しています。
- 根拠の欠如: 具体的な証拠がないまま、初めて中国を「高リスク国」と定義し、資金援助を禁止したことは、中国に対する「レッテル貼り」である。
- 市場原理への違反: 中国製品を排除しようとする強制的措置は、市場原理や公正な競争に反している。
- 信頼関係の悪化: このような措置は中欧間の相互信頼を損ない、二国間の経済・貿易協力を妨げることになる。
サプライチェーンと環境目標への影響
中国側は、今回の措置が単に自国企業の利益を損なうだけでなく、世界的な産業チェーンに混乱を招くと警告しています。特に、EUが掲げる「グリーン移行(脱炭素社会への転換)」やエネルギー安全保障において、結果的にEU自身に悪影響を及ぼす可能性があると指摘しました。
長期的な視点では、経済的な切り離し(デカップリング)が進み、安定したサプライチェーンが分断されるリスクも懸念されています。
今後の展望
中国政府は、EUに対し「高リスク国」というレッテル貼りを直ちに停止し、差別的な措置を撤回するよう求めています。同時に、中国企業が被る正当な権利と利益への影響を注視し、必要に応じて適切な対策を講じる方針です。
エネルギー転換という共通の目標を持つ中欧の間で、安全保障上の懸念と経済的な合理性がどのように折り合いをつけるのか、今後の動向が注目されます。
Reference(s):
China slams EU's discriminatory restrictions on Chinese inverters
cgtn.com