環境と経済の両立へ。中国がアフリカで共有した「生態系復元」のアプローチとは video poster
環境保護と経済成長は、必ずしも相反するものではない――。そんな視点を持つアプローチが、今、大陸を越えて共有されています。
p>2026年5月6日から7日にかけてケニアのナイロビで開催された「グローバル・ランドスケープ・フォーラム・アフリカ 2026」では、中国本土で培われた大規模な生態系復元の経験が大きな注目を集めました。135の国・地域から参加者が集まったこの会議で、どのような知見が共有されたのかを紐解きます。「緑の山」が価値を生む。中国本土の環境哲学
中国本土の自然資源部・領土空間生態復元司の鐘崇軍(Zhong Chongjun)副司長は、損なわれた土地を復元しながら同時に経済的な価値を創出するという手法を提示しました。
その根底にあるのが、「緑水青山こそが金山銀山である(清らかな水と豊かな山こそが、かけがえのない財産である)」という環境哲学です。これは、環境保護を経済発展の妨げとするのではなく、むしろ環境を守ることが長期的な経済的利益につながるという考え方です。
具体的な事例として、以下のプロジェクトが紹介されました。
- 浙江省の事例:古くからの棚田や湿地を復元し、観光資源として活用。そこで得られた収益をさらに保全活動へ再投資するサイクルを構築しました。
- 寧夏回族自治区の事例:かつての鉱山跡地をブドウ園へと転換。現在は、賞賛されるワインを生産する場所へと生まれ変わっています。
国連も認めた大規模プロジェクト「山水イニシアチブ」
また、中国本土で展開されている大規模な生態系復元キャンペーン「山水イニシアチブ」についても言及がありました。この取り組みは、森林、河川、湿地、草原など、国内の1億ムー(約670万ヘクタール)以上に及ぶ広大なエリアを対象としています。
その規模と成果は国際的にも高く評価されており、国際連合(UN)によって「世界復元フラッグシップ(World Restoration Flagships)」の一つとして認定されました。こうした大規模な実践知を、自国の中だけに留めず、世界に共有しようとする動きが加速しています。
テクノロジーと教育でつなぐアフリカとの連携
アフリカの多くの国々が関心を寄せているのは、単なる理念だけでなく、それを実現するための「具体的なツール」です。
中国・世界銀行グループ生態系システム・移行グローバルセンターのアンドレ・アキノ(André Aquino)氏は、アフリカ諸国が特に以下の点に注目していると指摘します。
- 効率的な景観監視と復元を可能にするAI(人工知能)やリモートセンシングシステムの活用
- 持続可能な復元を支える政策ツールや資金調達モデル
こうしたニーズに応えるため、世界銀行グループは新たに「リバブル・ランドスケープ・アカデミー(Livable Landscapes Academy)」の設立を発表しました。これは生態系復元のトレーニングと知識共有のためのプラットフォームであり、世界銀行、中国本土、そしてアフリカのパートナー諸国による24ヶ月間の共同学習プログラムからスタートする予定です。
自然を回復させることが、結果として人々の暮らしを豊かにする。この視点は、環境課題に直面する多くの地域にとって、新たな選択肢を提示しているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com