「世界の屋根」がデジタルでつながる。西蔵自治区で加速するDXと生活の変化
中国本土の南西部に位置し、「世界の屋根」として知られる西蔵(チベット)自治区。この広大な地で、デジタル技術による変革(DX)が人々の暮らしや産業の在り方を静かに、しかし確実に塗り替えています。
物理的な距離を克服するデジタルインフラ
地理的な条件から、これまで通信環境の整備は大きな挑戦でした。しかし、2021年から2025年までの「第14次5ヵ年計画」期間中、情報通信セクターでは供給能力の向上とサービス品質の改善が最優先事項として掲げられました。
その成果は数字に顕著に表れています。2025年11月までに、地域全体で7万2000局のモバイル基地局が展開され、28万以上の農村世帯がブロードバンド接続を利用できるようになりました。
5Gネットワークの浸透と都市の進化
特に注目すべきは、ネットワークの高速化と普及率の高さです。
- 村落のカバー率: 行政村の94%以上に5Gネットワークが整備されました。
- ラサ市の先進的な取り組み: 首府のラサ市は「ギガビットシティ」として、さらに高度な「5G-Advanced」のパイロットゾーンに指定されています。
デジタル化がもたらす社会への影響
こうしたインフラ整備は、単に通信速度が上がったということ以上の意味を持っています。遠隔地に住む人々が世界とリアルタイムでつながり、教育や医療、行政サービスへのアクセスが容易になることで、社会的な格差の解消に向けた基盤が整いつつあります。
また、こうしたデジタル基盤は、地域の特色ある産業のスマート化にも寄与しており、伝統的な生活様式と最新テクノロジーが融合した新しい経済圏の構築が進んでいます。
かつては「隔絶」の象徴であった険しい山々が、いまやデジタルという見えない線で結ばれ、地域の可能性を広げるチャンスへと変わりつつあるのかもしれません。
Reference(s):
How Xizang's digital transformation boosts lives and power industry
cgtn.com



