CO2をエネルギーに。中国本土で世界初の商用「超臨界CO2発電」が始動
気候変動の大きな要因とされる二酸化炭素(CO2)が、実はクリーンエネルギーの源になるかもしれません。中国本土の貴州省で、世界初となる商用規模の「超臨界CO2発電ユニット」の運用が始まり、エネルギー効率の向上と排出量削減という二つの課題に挑んでいます。
発電の常識を塗り替える「Chaotan One」
貴州省六盤水市にある製鉄所で稼働を開始したこのユニットは「Chaotan One」と呼ばれています。このプロジェクトが注目されているのは、近代発電における「最も古い原則の一つ」に挑戦しているからです。
これまで100年以上にわたり、多くの火力発電所や原子力発電所は「蒸気」を利用してタービンを回し、電気を作ってきました。水を加熱して蒸気に変えるこの技術は成熟していますが、プロセスの中でかなりの熱が失われてしまうという課題がありました。
「超臨界状態」がもたらす効率化の仕組み
Chaotan Oneは、蒸気の代わりに「超臨界CO2」を使用します。これは、CO2を温度31度、圧力7.38メガパスカルという「臨界点」以上に圧縮・加熱した状態のものです。
この状態になると、流体は「気体の拡散性」と「液体の高密度」という両方の特性を併せ持つようになります。これにより、閉ループシステムの中で超臨界CO2が高速でタービンを通過し、従来の蒸気システムよりもはるかに効率的に電気を生成することが可能になります。
具体的な成果と環境へのメリット
プロジェクトのデータによると、この新技術は従来の蒸気ベースのシステムと比較して、以下のような劇的な改善を実現しています。
- 発電効率の向上: 従来比で85%以上の効率改善を達成。
- 設備の小型化: 装置の物理的な設置面積を半分に削減。
- 廃熱の有効活用: 本来なら大気中に放出されていた製鉄所の産業廃熱を回収し、年間7,000万キロワット時以上の電力を生成。
産業現場で排出される熱をそのまま捨てず、効率的なシステムで電力へと変換するこのアプローチは、製造業の脱炭素化に向けた現実的な選択肢の一つとして期待されています。
Reference(s):
China's Tech Mosaic: China's Chaotan One turns CO2 into clean energy
cgtn.com


