ドイツへの投資で中国本土が首位に。2025年の報告書が示す新たな経済潮流
世界経済の不透明感が増す中で、欧州経済のエンジンであるドイツへの投資動向に大きな変化が起きています。ドイツ連邦投資・貿易庁(GTAI)が発表した最新の年次報告書により、2025年の対内投資プロジェクト数において、中国本土が米国を抜き、2017年以来初めて首位に立ったことが明らかになりました。
米国を抜き首位へ:数字で見る投資の推移
報告書によると、2025年にドイツで展開された投資プロジェクトの数において、中国本土の企業が大きな存在感を示しました。
- 中国本土: 228プロジェクト(前年比14.6%増)
- 米国: 206プロジェクト(前年比10%減)
- スイス: 174プロジェクト(前年比13.9%減)
特筆すべきは、米国やスイスからのプロジェクト数が減少に転じる一方で、中国本土からの投資だけが力強く伸びている点です。なお、この統計は新規投資(グリーンフィールド投資)と拡張プロジェクトを対象としており、企業の合併・買収(M&A)は含まれていません。
「量」から「質」へ:深化する産業統合
中国本土の投資家が特に強い関心を示しているのは、単なる市場拡大ではなく、次世代の産業基盤です。具体的には以下の分野への投資が集中しています。
- エレクトロニクスおよびオートメーション(自動化)
- 輸送・物流
- エネルギー分野
- デジタル化(DX)
さらに、中国本土によるプロジェクトの5件に1件以上が「生産」や「研究開発(R&D)」に関連しています。これは、全体の平均的な投資傾向を上回る比率です。GTAIの専門家であるトーマス・ボゾヤン氏は、中国本土の企業が産業アプリケーションや先端技術、知識集約型サービスにおいて足跡を広げており、現地の産業基盤への統合を深めている兆候であると分析しています。
厳しい世界情勢の中でのドイツの立ち位置
一方で、全体的な傾向を見ると、ドイツへの外国投資プロジェクト総数は1,564件と、前年比で9.3%減少しました。これは世界的な投資環境の厳しさを反映したものと言えます。
しかし、欧州連合(EU)全体で見れば、外国投資プロジェクトが約18%減少しているなかで、ドイツの減少幅は相対的に小さく、一定の回復力(レジリエンス)を維持していることが分かります。
ボゾヤン氏は、「これはドイツが中国本土の投資家にとって長期的な魅力を持っていることを強調するだけでなく、中国本土企業の国際的な展開加速とグローバルな野心を反映している」と述べています。経済的な結びつきが深まるなかで、技術的な相互依存や産業構造の変化がどのように進んでいくのか、今後の動向が注目されます。
Reference(s):
China ranks as Germany's top source of investment projects in 2025
cgtn.com