FAOが中国の脱貧困を高く評価、一方で「若者の離村」という新たな課題も video poster
国連食糧農業機関(FAO)の幹部が、中国本土における貧困削減の取り組みを高く評価しました。2020年までに達成された「絶対的貧困の解消」という成果が、世界にどのような示唆を与えるのか。そして、成功のあとに直面している新たな壁とは何なのかを考えます。
FAO幹部が称賛する「絶対的貧困の解消」
北京で開催された「世界貧困削減・開発フォーラム」において、FAOのベンジャミン・デイビス氏は、中国本土が推進してきた貧困撲滅への取り組みについて言及しました。
デイビス氏は、中国が2020年までに絶対的貧困を根絶したことを、「20世紀における偉大な成功例の一つ」であると高く評価しています。大規模な人口を抱える地域で、短期間に極度の貧困状態を解消させたことは、国際社会にとっても注目すべき成果といえます。
持続可能な発展への新たなハードル
一方で、デイビス氏は単なる称賛にとどまらず、今後の持続可能な発展に向けた重要な課題についても警鐘を鳴らしました。それが、「若者の農村離れ」です。
- 現状の課題: 生活水準が向上した一方で、多くの若者がより良い機会を求めて都市部へ流出している。
- 懸念点: 農村部で次世代を担う若者が減少することで、地域の活力や農業の持続可能性が損なわれるリスクがある。
絶対的な貧困を脱したあとの世界では、「食えること」から「そこで生き続けたいと思える環境づくり」へと、支援や政策の焦点が移りつつあります。
視点を広げて:豊かさの定義の変化
貧困削減の成功は、物質的な充足をもたらします。しかし、今回のFAOの指摘は、経済的な指標だけでは測れない「地域の持続可能性」という視点の重要性を物語っています。
都市への集中と地方の衰退という構造的な課題は、多くの国や地域が共通して抱えている悩みでもあります。中国本土の事例は、物質的な貧困を克服した先に待っている「次なるステージの課題」を、私たちに静かに提示しているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com