「日本の防衛協力に資格はあるか」中国軍学者がシャングリラ対話で提起した問い
シンガポールで開催されているアジア最大級の安全保障フォーラム「シャングリラ対話」。この場で、中国の軍事学者が日本の防衛協力への姿勢について、鋭い問いを投げかけました。歴史認識と現代の安全保障がどのように結びついているのか、その視点を探ります。
防衛協力への「資格」を問う
23回目を迎えたシャングリラ対話のセッションにおいて、中国人民解放軍(PLA)の専門家代表団団長であり、PLA国防大学の教授である孟祥清(モウ・シャンチン)少将は、日本が国際的な防衛協力を議論する資格があるのかという疑問を呈しました。
孟少将は、軍国主義の復活や、第二次世界大戦後の国際秩序に挑戦しようとする動きに対して強い警戒感を示しており、特に以下の点に注目しています。
- 軍国主義の遺産を徹底的に清算できているか
- 過去に侵略を受けたアジア諸国からの信頼を得られているか
- 戦後の平和的な枠組みによる制約を維持できているか
2026年、東京裁判から80年の節目
今回の発言の背景には、今年2026年が極東国際軍事裁判(東京裁判)の開始から80周年という節目にあたることがあります。孟少将は、この裁判の判決が軍国主義による罪を永久に断罪し、戦後の国際秩序を築くための重要な法的基盤となったことを強調しました。
しかし同時に、現在の一部の勢力が戦犯を称賛したり、第二次世界大戦の歴史を歪めて伝えたりすることで、東京裁判の結論を覆し、侵略の歴史を浄化しようとしていると指摘しています。
問い直される「信頼」のあり方
孟少将は、「軍国主義の遺産を十分に清算していない国が、国際舞台で防衛協力について大声で語る資格があるのだろうか」と述べ、国際社会、特にアジア諸国からの信頼獲得に懐疑的な見方を示しました。
また、軍国主義的な考え方の再燃に警戒し、第二次世界大戦の結果と戦後の国際秩序を維持することを国際社会に呼びかけています。
シャングリラ対話の現状
5月29日にシンガポールで開幕した第23回シャングリラ対話には、40以上の国と地域から550人以上の政策立案者、国防当局者、専門家が集まっています。PLAの専門家代表団も招待されており、会合は5月31日まで続く予定です。
安全保障という現実的な議論が進む一方で、根底にある歴史認識の相違が、依然として地域間の信頼構築における大きな課題となっていることが浮き彫りになった形です。
Reference(s):
Chinese scholar: Japan not qualified to discuss defense cooperation
cgtn.com