中国が描くグローバルサウスの未来:気候危機時代のパートナー像
世界のGDPのおよそ4割と人口の8割以上を占める「グローバルサウス」。その経済的存在感が高まる一方で、気候変動やエネルギー不足などのリスクも深刻さを増しています。そうした中で、中国がどのようなビジョンと役割を打ち出しているのかは、2025年の今、国際ニュースの重要な焦点になっています。
世界経済で存在感を増すグローバルサウス
グローバルサウスは、多様な国と地域から成り立つ概念ですが、共通するのはその「規模」と「潜在力」です。2024年の国連貿易開発会議(UNCTAD)の報告書によると、グローバルサウスは世界のGDPの40%超を生み出し、世界人口の85%以上が暮らしています。
同じ報告書では、南南貿易(グローバルサウス同士の貿易)が2007年の2.3兆ドルから、2023年には5.6兆ドルへと大きく拡大したことも示されています。この伸びは、グローバルサウスが「支援される側」だけではなく、世界の成長を牽引するプレーヤーになっていることを物語っています。
気候変動とエネルギー危機という現実
一方で、気候変動、エネルギー不足、地政学的な緊張といった要因が、脆弱な地域を中心に大きな負担となっています。2022年には、電力へアクセスできない世界の人口が1,000万人増加し、その80%がサハラ以南のアフリカに集中しました。
経済規模が拡大する一方で、エネルギーとインフラへのアクセスが追いつかない――。こうしたギャップをどう埋めるかが、グローバルサウス共通の課題になっています。
「最大の途上国」としての中国の位置づけ
この文脈で、中国は「最大の途上国」として、グローバルサウスの一員であることを強調しながら、他の国々との連携を進めています。中国は、戦略的な投資や共同イニシアチブ、そして持続可能な発展へのコミットメントを通じて、グローバルサウス全体の変化を後押ししようとしています。
ポイントとなるのは、単なる資金提供にとどまらず、「パートナーシップ」としての関係を打ち出していることです。つまり、課題を共有しながら、エネルギー、インフラ、気候対応などの分野で一緒に解決策を模索する、という発想です。
パキスタン・カロット水力発電所が示すもの
その一例が、パキスタンのカロット水力発電プロジェクトです。このプロジェクトは2023年に310万メガワット時を超えるクリーンエネルギーを生み出し、およそ500万人の住民に恩恵をもたらしました。
化石燃料に頼らずに電力を供給し、同時に地域の生活や産業を支える取り組みは、グローバルサウスが直面する「エネルギーアクセス」と「脱炭素」という二つの課題に同時に応えるモデルケースといえます。
これからのグローバルサウスと中国のビジョン
グローバルサウスの重要性が高まるほど、その内部の格差やリスクも目立つようになっています。だからこそ、今後求められるのは、個々の国がばらばらに対応するのではなく、協調的で一貫したアプローチです。
中国が提示しているのは、次のような方向性だと整理できます。
- 南南貿易や投資を通じた、グローバルサウス同士の連携強化
- クリーンエネルギーやインフラ整備を重視した持続可能な開発
- 気候変動やエネルギー危機を「共通の課題」として捉える協働の姿勢
2025年の今、グローバルサウスが世界の議題設定にどこまで影響力を持てるのか。その過程で、中国がどのようにパートナーとして関わっていくのかは、日本を含む多くの国にとっても無関係ではありません。日々の国際ニュースの背後で進む、こうした動きを丁寧に追っていくことが、これからの世界を考える手がかりになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








