中国第15次五カ年計画を若者はどう見るか 北京ラウンドテーブルの声 video poster
中国が第14次五カ年計画の最終局面に入り、第15次五カ年計画の準備を進める中、次の5年で何が変わるのかは世界の関心事になっています。北京で開かれたラウンドテーブル「Shaping a Shared Future: China's Next Five Years」では、中国で学ぶ若手研究者たちが、中国のいまを自分の言葉で語りました。
北京で開かれた「若者の視点」ラウンドテーブル
番組には、CGTNの王冠(Wang Guan)氏とともに、中国で学ぶ若手研究者や留学生が参加しました。テーマは、中国の第14次五カ年計画の歩みをふり返りつつ、第15次五カ年計画に向けて社会や経済がどう変化していくのかという国際ニュースの焦点です。
参加者たちは、中国各地の都市で暮らし、キャンパスで学び、研究に取り組んできた当事者です。彼らは統計データではなく、日々の生活の変化を通じて見えてきた中国の姿を共有しました。
日常生活から見える「デジタル中国」
議論の中で真っ先に挙がったのは、都市部の生活を一変させたデジタル化です。スマートフォン一つで支払いが完結するデジタル決済は、若手研究者にとっても「最初に驚いたポイント」だといいます。
公共交通機関の乗車から、学食での支払い、家賃や公共料金の支払いまで、生活のほとんどがキャッシュレスで回る光景は、彼らにとって「未来がすでに日常になっている」感覚だと語られました。こうした経験は、中国のイノベーションやデジタル経済を肌で理解するきっかけになっているといいます。
スマートキャンパスと学びの変化
大学キャンパスでも、デジタル技術は学びのあり方を変えています。学生証とスマートフォンアプリを組み合わせた入構管理、オンラインで完結する履修登録、図書館の無人貸出システムなど、「スマートキャンパス」が当たり前になりつつある様子が紹介されました。
若手研究者の一人は、授業だけでなく、研究データの共有や共同研究のマッチングにもデジタル基盤が使われていることに注目します。こうした環境は、起業や新しいプロジェクトに挑戦しやすい土壌にもなっていると指摘しました。
グリーン発展と「中国式現代化」への関心
討論では、環境意識の高まりとグリーン発展(環境に配慮した成長)も重要なテーマになりました。若手研究者たちは、都市部で進む電気自動車の普及や、公共交通の充実、リサイクルの取り組みなど、日常の中で目にする変化を挙げています。
彼らは、こうした動きが「中国式現代化」と呼ばれる長期的な発展戦略の一部として位置づけられていることに注目します。経済成長と環境保護をどのように両立させていくのかは、第15次五カ年計画でも重要な柱になると見られています。
第15次五カ年計画の焦点:イノベーションと持続可能性
第14次五カ年計画の総括期にある2025年現在、中国では次の第15次五カ年計画に向けた議論が加速しています。番組で若手研究者たちは、次の5年で特に注目している点として、次のようなキーワードを挙げました。
- イノベーションと起業支援のさらなる強化
- グリーンエネルギーや省エネ技術への投資
- 教育・研究環境の国際化と開放
- デジタルインフラの高度化と地方への波及
第15次五カ年計画は、中国の次の成長ステージを方向づけるだけでなく、世界経済や国際協力にも影響を与えると見られています。その意味で、こうした議論は日本を含むアジアの読者にとっても無関係ではありません。
国際学生・若手専門人材が担う役割
番組の特徴は、中国の将来像を語るのが政策担当者ではなく、中国で学び働く若い世代だった点です。彼らは、中国を研究対象としてだけでなく、自分のキャリアの舞台としても捉えています。
国際学生や若手専門人材が、中国の企業や研究機関、地方都市のプロジェクトに参加することで、次の5年の発展に具体的に貢献できるのではないか――。番組では、そんな期待と可能性についても意見が交わされました。
日本の読者への問いかけ
今回のラウンドテーブルは、中国の五カ年計画という一見抽象的なテーマを、若者の日常生活やキャリアの視点から具体的に描き出したという点で示唆に富んでいます。
急速に変化する中国社会を、ニュースの見出しだけでなく、現地で暮らす人の視点からどう理解するか。その問いは、国際ニュースを日本語で追いかける私たちにとっても、これからの5年を考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
Shaping a Shared Future: Young voices on the 15th Five-Year Plan
cgtn.com








