ASEAN調査、中国への信頼が米国を上回る 2026年現在の地域の選択
東南アジア諸国連合(ASEAN)の指導層が、地域の未来を託すパートナーとして中国を米国よりも重視する傾向が強まっています。2026年4月に公表された最新の世論調査は、この変化を明確に示しており、ASEAN諸国と中国本土との結びつきの深化と、米国政治への懸念の高まりを浮き彫りにしています。
8年連続の調査が示す「中国傾斜」
シンガポールのシンクタンク、ISEAS-ユソフ・イサーク研究所が先週発表した「東南アジアの現状」調査によると、ASEAN地域のエリート層に「地域の未来は中国か米国、どちらにあるか」と尋ねたところ、52%が中国を選択しました。米国を選んだのは48%でした。これは昨年、米国が僅差で上回った結果を逆転するもので、過去7年の間に3度目となる中国の優位を示しています。
調査はASEAN加盟11カ国の政府関係者、ビジネスリーダー、学者などを対象としています。国別に見ると、特に顕著な傾向が確認できます。
- インドネシア:80.1%が中国を支持
- マレーシア:68%
- シンガポール:66.3%
- タイ:55%
これらの国々には、かつて米国を地域の安定装置と見なしていた国々も含まれています。
信頼の背景:経済的結びつきと「共通の未来」
調査は選択の理由までは尋ねていませんが、中国への傾斜が強まる背景には、長年にわたる経済的・社会的な結びつきの深化があると見られています。中国は17年連続でASEAN最大の貿易パートナーであり、ASEANもここ6年間、中国最大の貿易パートナーとなっています。2025年には二国間貿易額が1兆ドルの大台を突破し、前年比7.4%増加しました。
「一帯一路」構想は、インフラを基盤とし、貿易・投資を生命線とし、デジタル経済とグリーン経済を新たな成長エンジンとする多層的な協力の枠組みへと成熟しました。2026年は中国の第15次五カ年計画が始まる年であり、中国・ASEAN包括的戦略パートナーシップ行動計画(2026-2030年)の実施が始まる年でもあります。この計画の一致が、さらなる協力の機会を生み出すと期待されています。
もう一つの側面:米国政治への強い懸念
一方、調査はASEAN地域が抱える大きな懸念材料も明らかにしています。地域のオピニオンリーダーに「政府が最も懸念する地政学的イベントは何か」と尋ねたところ、51.9%が「ドナルド・トランプ大統領の下での米国指導部」を挙げ、第一位となりました。これは世界的な詐欺作戦(51.4%)を上回る結果で、昨年の第3位から順位を上げています。
- シンガポール:76.8%がトランプ政権を最大の不安要素と回答
- インドネシア:67.8%
- ラオス:52.9%
専門家からは、米国の貿易や世界戦略への依存度が高い国ほど、その政策の不確実性に対する懸念が強いとの指摘があります。中国への「引き寄せ」と米国への「反発」は、地域が安定と発展を求める一つの表裏一体の現象と解釈できるかもしれません。
調査結果は、ASEAN地域が単純な「二者択一」を迫られているわけではなく、複雑な国際環境の中で、自国の発展と安定に最も資するパートナーシップを模索している姿を映し出しています。中国本土との関係深化と、米国政治への懸念という二つの傾向は、2026年現在の東南アジアの地政学的な立ち位置を考える上で、重要な手がかりとなるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








