フランス代表、イスラエルと0-0もUEFAネーションズリーグ準々決勝進出
UEFAネーションズリーグのグループA2でフランス代表がイスラエルと0-0で引き分けながら、準々決勝進出を決めました。試合はパリ北部郊外のスタッド・ド・フランスで行われましたが、安全面への懸念から観客数は過去最少となり、国際サッカーと社会情勢の緊張が交差する一戦となりました。
0-0ドローでも準々決勝進出を確定
木曜日に行われたフランス対イスラエルの一戦は、スコアレスドローに終わりました。それでもフランスは、UEFAネーションズリーグのグループA2で少なくとも2位以内を確保し、準々決勝進出を決めています。
フランスはここまで5試合を終えて勝ち点10。グループ首位には、ブリュッセルでベルギーに1-0で勝利したイタリアが勝ち点13で立っています。フランスは2位につけており、グループA2のトップ争いはイタリアとの直接対決に委ねられる形となりました。
試合会場となったスタッド・ド・フランスでの代表戦は、2023年6月以来。久々の「ホーム」復帰にもかかわらず、内容面ではやや物足りない印象が残るゲームとなりました。
厳戒態勢のスタッド・ド・フランス、観客数は過去最少
今回のフランス対イスラエル戦は、サッカー面だけでなく、安全面の議論も呼ぶ一戦となりました。試合の1週間前には、アムステルダムでイスラエルからのサポーターと地元の人々との間で暴力的な騒動が発生。その影響もあり、スタッド・ド・フランス周辺は厳重な警備態勢となりました。
当日はスタジアム内外に約4000人の警備担当者が配置され、トラブル防止が最優先されました。その結果、観客数は1万6611人にとどまり、スタッド・ド・フランスで行われたフランス代表戦としては過去最少となりました。
スタジアムの空席が目立つ中でプレーしたフランス代表について、ディディエ・デシャン監督は試合後、次のように振り返りました。
「小競り合い(トラブル)は見ていません。望ましくない状況の中で、この試合を戦わなければなりませんでした。これほど少ない観客の前でプレーするのは、やはり奇妙な感覚です。」
大舞台でありながら、異例の静けさに包まれた試合は、スポーツイベントが社会や安全保障の問題と切り離せない存在であることを、改めて印象づけるものとなりました。
エムバペ不在で火力不足、攻撃は不発
スコアレスに終わった背景には、フランス攻撃陣の迫力不足もありました。主将のキリアン・エムバペはこの試合のメンバーから外れ、ウスマン・デンベレも太ももの負傷で欠場。いつものキープレーヤーを欠く中で、前線は新たな組み合わせを試す形になりました。
1トップにはランダル・コロ・ムアニ、その両翼にブラッドリー・バルコラとマイケル・オリーズが入る布陣。しかし、3人の連係はなかなかかみ合わず、創造性とアイデアに乏しい時間帯が続きました。
決定機はつくるも、相手GKペレツが立ちはだかる
それでもフランスにはいくつか決定機がありました。前半19分、コロ・ムアニがヘディングでゴールを狙いますが、イスラエルのGKダニエル・ペレツが落ち着いてセーブ。以降もフランスはボールを支配し続けますが、最後の一押しを欠きます。
後半に入っても流れは変わらず、フランスは押し込みながらもゴールネットを揺らせません。77分には、途中から存在感を高めていたワレン・ザイール・エメリが決定的な一撃を放ちましたが、ここでもペレツが好セーブを見せ、先制点はならず。
交代出場のマルクス・テュラムもヘディングでチャンスを迎えましたが、シュートはまたしてもペレツの正面。さらにアディショナルタイムにはクリストファー・エンクンクがゴールに迫ったものの、試合を動かすには至りませんでした。
ボール支配とチャンスの数ではフランスが優位に立ちながら、勝ち切れなかった試合内容は、今後の課題として残る形となりました。
試合の基本情報
- 大会:UEFAネーションズリーグ グループA2
- 対戦:フランス代表 0-0 イスラエル代表
- 会場:スタッド・ド・フランス(パリ北部郊外)
- 観客数:1万6611人(フランス代表戦として同スタジアム史上最少)
- 警備体制:約4000人の警備担当者がスタジアム内外を警備
イタリアとの首位決戦へ、内容の立て直しが鍵
グループA2で勝ち点10のフランスは、首位イタリアとは3ポイント差。イタリアはベルギーに1-0で勝利しており、両チームの差はわずかです。
当時の時点で、フランスは日曜日にミラノでイタリアと対戦し、グループ首位の座を懸けた直接対決に臨む予定となっていました。準々決勝進出をすでに確定させたとはいえ、グループ1位で勝ち上がるかどうかは、大会全体の行方を左右する重要な要素です。
イスラエル戦では、エムバペやデンベレ不在時の攻撃プランが十分に機能しているとは言い難く、デシャン監督がイタリア戦までにどこまで修正できるかが焦点となります。
静かなスタジアムが映し出すもの
今回のフランス対イスラエル戦は、ピッチ上の結果以上に、スタジアムの風景が象徴的でした。大規模な国際試合でありながら空席が目立ち、警備担当者の数が観客の少なさと対照的に感じられる光景は、スポーツと安全保障、そして国際情勢の微妙なバランスを映し出しています。
フランス代表は、こうした緊張感の中でも大会の目標である準々決勝進出を達成しました。しかし、サッカーの魅力の一つである「スタジアムの熱気」が削がれた試合を経験したことは、選手やスタッフ、そして観る側にとっても、大きな問いを投げかけています。
勝ち点や戦術だけでなく、安全と自由、熱狂とリスクのバランスをどう取るのか。UEFAネーションズリーグの一試合は、国際ニュースとしても考えさせられる出来事となりました。
Reference(s):
France reach UEFA Nations League last eight after 0-0 draw with Israel
cgtn.com








