クビトバ、出産後カムバックで初勝利 イタリア国際テニスで復活の一歩
二度のウィンブルドン優勝を誇るチェコ出身のテニス選手、ペトラ・クビトバが、出産を経てツアー復帰後初めての白星を挙げました。2025年5月6日にローマで行われたイタリア国際(Italian Open)1回戦で、ルーマニアのイリナ=カメリア・ベグをストレートで下し、ママアスリートとして新たな一歩を踏み出しています。出産とキャリアの両立に挑むこのニュースは、国際ニュースを日本語で追う読者にとっても、自分ごととして考えたくなるテーマではないでしょうか。
イタリア国際でつかんだ復帰後初勝利
クビトバは今年2月のカムバック以降、公式戦で4連敗と苦しいスタートが続いていました。それだけに、ローマでの勝利は大きな節目となりました。スコアは7-5、6-1のストレート勝ち。接戦となった第1セットをものにすると、第2セットでは一気に主導権を握り、力強いプレーで試合を締めくくりました。
WTA(女子テニス協会)の公式サイトによると、クビトバは試合後のインタビューで「ここローマで初勝利を挙げるなんて、ちょっと不思議」と率直な思いを語りました。「ローマではこれまであまり良いテニスができていないんです。でももちろん、負けるよりはずっと気分がいいですね」と笑顔を見せ、久々の勝利をかみしめています。
15か月のブランクと第1子の誕生
今回の復活劇の背景には、約15か月にわたるツアー離脱と出産があります。クビトバはそのブランクの間に、2023年7月に第1子となる長男ペトルくんを出産しました。長年ツアーの最前線で戦ってきた彼女にとって、競技から離れて家族と過ごす時間は、大きな転機でもあったといえます。
クビトバは「復帰することは95%ないと思っていた」と打ち明けています。当時は「テニスにはもう十分向き合った。もう無理だ」と感じていたといい、その結果として「それなら子どもを持とう」とパートナーと決断したとしています。決意が固まるまでは周囲にも計画を明かさなかったといい、「100%ではなかったので、誰にも言わなかった」と振り返っています。
コートに戻って気付いた、テニスへの思い
しかし、出産後に再びラケットを握った瞬間、心境に変化が生まれました。クビトバは、久々にコートに立ったときの感覚を「コートに戻ったときの気持ちは本当に特別だった。笑いながら、スムーズにショットを打てて、『まだできる』と感じた」と語っています。
長く競技を続けていると、結果やランキングに追われてしまいがちです。それでも一度距離を置き、母親としての日々を過ごしたことで、「自分はなぜテニスをしているのか」という原点に立ち返るきっかけになったように見えます。プレーそのものを楽しむ感覚を取り戻したことが、今回の勝利にもつながったと考えられます。
次の相手はオンス・ジャバー 焦らず「楽しむ」カムバック
クビトバは次戦で、チュニジアのオンス・ジャバーと対戦する予定です。実力者との対戦は、産休明けカムバックの現在地を測るうえで、1つの試金石になりそうです。
それでも本人は、結果よりプロセスを重視する姿勢を崩していません。復帰に向けた準備のなかで、彼女が何度も口にしているのは「楽しむ」というキーワードです。すぐに以前のような成績を求めるのではなく、ツアーの生活や試合そのものを楽しみながら、少しずつトップレベルの感覚を取り戻そうとしていることがうかがえます。
なぜこのニュースが心に残るのか
今回のクビトバのストーリーは、テニスファンにとってのスポーツニュースであると同時に、多くの人に共通するテーマも含んでいます。
- キャリアの途中で立ち止まり、人生の優先順位を見直すこと
- 家族や子育てと仕事をどう両立させるかという問い
- 一度諦めかけた道に、もう一度戻る勇気
出産や子育てを経験する人だけでなく、仕事のペースを変えたり、キャリアチェンジを考えたりしている人にとっても、クビトバの選択や言葉はどこか重なる部分があるかもしれません。華やかな国際テニスの舞台の裏で語られる、1人のアスリートの正直な迷いと再出発は、SNSで共有したくなる「読みやすいのに考えさせられる」ニュースと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








