NBA新人シーズンを終えたヤン・ハンセン選手が語る、成長の軌跡と「国境を越える」スポーツの力
中国本土から世界最高峰の舞台へと飛び出した20歳のセンター、ヤン・ハンセン選手が、NBAでの激動の1年目を振り返りました。2025年のドラフトでポートランド・トレイルブレイザーズに16位指名された彼にとって、このシーズンは単なる競技への適応ではなく、人間としての大きな成長の期間となりました。
「ビデオゲームのような世界」での第一歩
ヤオ・ミンやワン・ジジといった伝説的な先輩たちの足跡を辿り、CBA(中国バスケットボール協会)の青島イーグルスからNBAへと転身したヤン選手。彼にとって、その環境の変化は想像を絶するものだったと言います。
レギュラーシーズンで43試合に出場し、チームをプレーオフ進出へと導いたものの、1回戦でサンアントニオ・スパーズに敗退するという結果に終わりました。しかし、その過程で得た経験こそが彼にとっての最大の収穫でした。
- 適応への努力:「全く新しい競争、新しいリーグでした。少しずつ慣れ、このゲームがどのように機能しているかを学ぶことに集中しました」と、謙虚に振り返ります。
- 憧れとの対面:プレシーズン中、コートサイドでステフィン・カリー選手が走る姿を見たとき、「まるでビデオゲームをプレイしているようで、現実感がない感覚だった」と、若者らしい素直な驚きを語りました。
挫折を成長に変える視点
シーズン中、ヤン選手はポートランドのGリーグ傘下チームである「リップシティ・リミックス」への派遣も経験しました。一般的に見れば「降格」と捉えられがちなこのステップですが、CBAで新人賞と最優秀守備選手賞を同時に受賞した経験を持つ彼は、これを前向きに捉えていました。
「選手として、これは仕事の一部です。ポジティブな姿勢を保つことが大切だと思いました。Gリーグでプレーしたことで、コンディションを維持し、スキルを向上させることができたため、非常に良い経験になりました」と語ります。
ポートランドの自然と地域社会への溶け込み
コートの外では、アメリカ北西部の生活に馴染もうと努めてきました。ポートランドのコミュニティからは温かい歓迎を受け、街中で声をかけられることも多かったと言います。
特に惹かれたのが、地域の豊かな自然です。山や湖に囲まれた環境で、夏にはボートを漕ぐなど、アウトドアライフを満喫したことで、心身ともにリフレッシュすることができたようです。
スポーツが架ける「国境なき橋」
これから中国代表チームに戻り、FIBAワールドカップへの準備に入るヤン選手。彼は、スポーツが持つ国際的な結びつきの力について、静かな確信を持っています。
「スポーツは国境を越えます。コートの上では言葉が通じなくても、コミュニケーションは可能です」。そして、より多くの中国本土の選手がアメリカで、またアメリカの選手が中国でプレーすることが、相互理解を深める助けになると考えています。
一人の若き才能が世界に飛び出し、壁にぶつかりながらも受け入れられていく姿は、スポーツという共通言語が持つ可能性を改めて提示してくれているのかもしれません。
Reference(s):
Exclusive: China's Yang Hansen reflects on historic NBA rookie Season
cgtn.com