米環境保護庁、発がん性化学物質TCEとPCEの使用を禁止
米国の環境規制に関する国際ニュースです。米国環境保護庁(EPA)は月曜日、日常的な製品に使われている2種類の発がん性化学物質、トリクロロエチレン(TCE)とパークロロエチレン(PCE)の使用を禁止すると発表しました。接着剤やドライクリーニング、シミ抜き剤などで使われてきた物質の扱いが、大きく見直されることになります。
接着剤やドライクリーニングから有害物質を排除へ
EPAによると、TCEとPCEはいずれも日常生活のさまざまな場面で使われてきた化学物質です。TCEとPCEはともに、燃えにくい塩素系の溶剤であり、揮発性有機化合物とされています。
EPAの化学物質安全・汚染予防局のミヒャル・フリードホフ次長は、がんを引き起こす化学物質が安全な代替手段があるにもかかわらず、接着剤やドライクリーニング、シミ抜き剤などに使われ続けることは受け入れられないと強調しました。
フリードホフ氏は、今回の規制はTCEとPCEの有害な影響を示す最良の科学的知見に基づいており、労働者や子どもを含む人々を守るために、米国の超党派の化学物質安全法の下で取られた措置だと説明しています。
TCEとPCEの健康リスク
EPAは、TCEとPCEが人の健康に深刻な影響を与えることを警告しています。どちらの物質も、曝露されることでがんや臓器へのダメージを引き起こす可能性があるとされています。
TCE(トリクロロエチレン)
TCEは極めて有毒な化学物質とされ、EPAによると次のような健康影響が確認されています。
- 肝臓がん、腎臓がん、非ホジキンリンパ腫を引き起こす
- 中枢神経系、肝臓、腎臓、免疫系、生殖器への障害
- 胎児の心臓の形成に欠陥をもたらすリスク
PCE(パークロロエチレン)
PCEについても、EPAは次のような健康リスクを指摘しています。
- 肝臓がん、腎臓がん、脳腫瘍、精巣がんなどを引き起こす
- 腎臓、肝臓、免疫系へのダメージ
- 神経毒性(神経への悪影響)や生殖毒性
さらに、PCEは分解される過程でTCEに変化する可能性があり、PCEそのものに微量のTCEが不純物や汚染物質として含まれている場合もあるとされています。
科学的知見に基づく規制強化の流れ
今回の禁止措置は、科学的な評価に基づいて有害性が示された化学物質を、日常製品から取り除いていこうとする動きの一つと見ることができます。特に、製造現場やクリーニング業などで働く人々、そして子どもを含む利用者をどのように守るかが、政策の焦点となっています。
フリードホフ氏は、EPAが今後も人々の健康を守るための取り組みを続けていくと述べており、化学物質に対する規制は今後も見直しと強化が続く可能性があります。
私たちが考えたいポイント
今回の米国EPAによる決定は、日本を含む他の国や地域にとっても無関係ではありません。多くの国や地域で、日常的に使う製品の中にどのような化学物質が含まれているのか、透明性を高めることが重要なテーマとなりつつあります。
このニュースをきっかけに、私たちが日々使う製品について、次のような視点から見直してみることもできそうです。
- 成分表示や安全情報に目を向ける習慣を持つ
- 労働現場での安全対策や健康影響に関心を持つ
- 可能な範囲で、安全性に配慮した代替製品を選ぶことを検討する
発がん性が指摘される化学物質をどう扱うかは、環境政策であると同時に、私たち一人ひとりの健康や消費行動にもつながる問題です。米国EPAによるTCEとPCEの禁止は、今後の国際的な議論の一つの参考点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








