OpenAIの動画生成AI「Sora」、ChatGPT PlusとProで提供開始
OpenAIが、テキストから動画を生成する人工知能モデル「Sora」を、ChatGPT PlusとProのユーザー向けに公開しました。生成AIの次の波とされる動画生成AIが、一般ユーザーにいよいよ広がり始めています。
テキストから動画へ:OpenAIの狙うマルチモーダルAI
OpenAIは、2022年11月に公開した対話型AI「ChatGPT」で生成AIブームの火付け役となりました。今回の「Sora」提供開始は、文章だけでなく画像や動画など複数の形式を扱う「マルチモーダルAI」へのさらなる一歩と位置づけられます。
新たに一般向けに開放されたSoraは、ユーザーが入力したテキストをもとに、短い動画を自動生成するモデルです。OpenAIは、同様のテキストから動画を生成するツールを展開するMetaやAlphabet傘下のGoogle、Stability AIのStable Video Diffusionなどと肩を並べることを目指しているとしています。
「Sora Turbo」をChatGPT Plus/Proで追加料金なし提供
Soraは2月に初めて発表されましたが、これまでは安全性検証のためのテスターに限定して提供されていました。今回、研究用プレビュー段階から一歩進み、「Sora Turbo」という形でChatGPT PlusおよびProユーザーに解放されます。
現時点の主な仕様は次のとおりです。
- 最大フルHD(1080p)解像度の動画を生成可能
- 動画の長さは最大20秒
- 横長(ワイド)、縦長、正方形など複数のアスペクト比に対応
- Plus/Proユーザーは追加料金なしで利用可能
OpenAIは、今後ユーザーの種類に応じた料金体系を用意する方針も示しており、来年初めに向けて「用途に合わせた価格設定」を導入する計画だとしています。
競合がひしめく「テキストから動画」分野
今回のSora提供は、テキストから動画を生成する「生成動画AI」分野での競争が一段と激しくなっていることを示しています。MetaやGoogle、Stability AIといった企業も同様の技術に取り組んでおり、短尺動画の表現力や操作性、安全性などをめぐる開発競争が進んでいます。
なかでも、最大20秒という短尺動画の生成に対応している点は、ショート動画やSNSコンテンツとの相性が良く、クリエイターやマーケティング担当者など、さまざまなユーザー層にとって実験しやすい条件だといえます。
利用可能な地域:EUや英国は当面対象外
OpenAIによると、Soraは現時点で欧州連合(EU)加盟国、スイス、英国では提供されません。一方で、それ以外の地域では、ChatGPTが利用可能な国や地域においてSoraにもアクセスできるとしています。
つまり、Soraの利用条件は「ChatGPTが使える場所」であることが前提となります。そのうえで、特定の地域では規制やルールへの対応を見ながら段階的に展開を進めていく構図といえます。
児童虐待コンテンツや性的ディープフェイクを遮断
動画生成AIの普及にあたっては、悪用リスクが常に懸念されます。OpenAIは今回、Soraの公開と同時に、いくつかの重要な安全対策を強調しています。
- 児童性的虐待コンテンツ(CSAM)の生成・アップロードをブロック
- 性的なディープフェイク(人物に似せたわいせつ動画)など、有害な悪用となるコンテンツの生成を制限
- リリース当初は「人物のアップロード」を制限し、ディープフェイク対策の精度を高めながら徐々に対象ユーザーを拡大
OpenAIは、人物画像や動画を使ったアップロード機能について、まずは制限付きでスタートし、ディープフェイク対策の高度化に応じて利用範囲を広げていくと説明しています。生成AIの自由度と、安全性・信頼性のバランスをどう取るかが、今後も大きな論点となりそうです。
ユーザーにとっての意味:創作と情報発信のハードルがさらに低く
今回のSora提供開始により、ChatGPT PlusやProを利用するユーザーは、テキストから直接動画を生成できるようになります。これは、次のような変化をもたらす可能性があります。
- 映像編集スキルがなくても、アイデアベースで動画コンテンツを試作できる
- SNSやプレゼンテーション用の短い動画を短時間で複数パターン生成し、比較・検証しやすくなる
- 教育、広告、エンタメなど、さまざまな分野で動画表現へのアクセスが広がる
一方で、偽情報やなりすまし動画の拡散リスクをどう抑えるかという課題も、これまで以上に重要になっています。OpenAIが示したような安全対策がどこまで機能するか、そして各国・各地域のルール作りがどう進むかは、今後の国際ニュースとしても注目されるテーマです。
SNSで日常的に情報発信を行う人にとっては、「テキストからここまでできるのか」という驚きと同時に、「どこまで使ってよいのか」という慎重さも求められる時代に入ったと言えるかもしれません。
Reference(s):
OpenAI releases Sora video generator for ChatGPT Plus and Pro users
cgtn.com








