Fortniteが再びiPhoneから消えた?EUと米国で配信停止、EpicとAppleの対立が再燃
人気オンラインゲームFortnite(フォートナイト)が、欧州連合(EU)と米国のiPhoneから再び姿を消しつつあります。モバイルゲーム市場を象徴するEpic Games(エピックゲームズ)とAppleの対立が、2025年末にかけて新たな局面を迎えています。
何が起きたのか:EUと米国でiPhone版Fortniteが停止
金曜日、Epic Gamesは、自社の代表作であるFortniteがEUと米国のApple製iPhone端末で利用できなくなったと明らかにしました。Epicによると、iPhone向け基本ソフト(iOS)および公式アプリ配信プラットフォームであるApp Storeを通じたFortniteへのアクセスは、Appleがブロックを解除するまで世界的に利用できない状態が続くとされています。
Epicは、なぜFortniteがブロックされたのかという具体的な理由については説明していません。
一方でAppleは、スウェーデン拠点のEpic関連会社に対し、米国向けストアフロントを含めない形でアプリのアップデートを再提出するよう求めていたと説明しています。これは、Fortniteへの影響が他地域に広がることを避ける狙いがあったとしています。さらにAppleの担当者は、代替の配信マーケットプレイスで提供されているライブ版のFortniteを削除する措置は取っていないと述べました。
Epic対Apple:2020年から続く30%手数料をめぐる法廷闘争
Epic Gamesは米国を拠点とするゲームスタジオで、中国のテンセントの出資を受けています。世界最大級のゲーム企業とされ、2017年にサービスを開始したFortniteは、最後の1人まで生き残りを目指すバトルロイヤル形式のゲームとして世界中の多くのプレイヤーを引きつけてきました。
両社の対立が表面化したのは2020年です。Epicは、App Store上でのアプリ内課金に対し、Appleが最大30%の手数料を課していることが米国の独占禁止法(アンチトラスト規制)に違反すると主張し、法廷闘争に踏み切りました。
今回のブロックを受け、Epicは金曜日の遅い時間に米カリフォルニア州の裁判所に申し立てを行い、AppleがFortniteのApp Store復帰を妨げているとして、裁判所の過去の判断に反する行為だと訴えました。Epicは、以前の裁判所の判断に基づき、AppleにはFortniteの配信を認める義務があると主張し、Appleを法廷侮辱(コンテンプト)に問うよう求めています。
Epicが提出した書面の中では、Appleによるブロックは「Appleの反競争的な行為に異議を唱え、その虚偽を法廷で明らかにしたことに対する、露骨な報復だ」と強く批判しています。Appleは、この申し立てに関するコメント要請に対し、営業時間外であることもあり直ちには回答していません。
Epicは今月初めにも別の訴訟でApple側に勝訴しており、今回の動きは、長期にわたる両社の攻防が新たな段階に入ったことを示すものとして注目されています。
EUのデジタル市場法とFortnite復帰の経緯
Appleは2020年にFortniteをApp Storeから排除しましたが、昨年、欧州連合の当局が巨大IT企業に対しデジタル市場法(Digital Markets Act/DMA)の順守を求める中で、Fortniteの復帰を認めました。昨年には、Epicが運営するマーケットプレイスアプリも、欧州のiPhoneおよびiPad向けに承認されています。
それだけに、EUと米国で再びiPhone版Fortniteが利用できなくなったことは、開かれたデジタル市場を目指すDMAの実効性をめぐる議論にもつながりそうです。ただし、Appleは今回の措置について、特定のアップデート内容をめぐる判断だと説明しており、DMAへの違反に当たるかどうかは現時点では明らかではありません。
プレイヤーと開発者にとっての意味
Fortniteを日常的にプレイしているiPhoneユーザーにとっては、突然ゲームにアクセスできなくなる、あるいはアップデートが止まるリスクが現実のものとなりました。Epicによれば、Appleがブロックを解除するまでは、iOSとApp Store経由でのFortnite利用は世界的に制限される見通しです。
EUでは、App Store以外の代替マーケットプレイスを通じてアプリを配信する枠組みが整いつつあります。Appleは、こうした代替マーケットプレイス上で提供されているFortniteのライブ版について、自ら削除する措置はとっていないとしています。しかしプレイヤーや開発者が安心してゲームにアクセスし続けられるのかどうかは、プラットフォーム企業と開発者の信頼関係に強く依存します。
今回のケースは、スマートフォンという巨大な流通チャネルを握るプラットフォーム企業と、その上でサービスを提供する開発者との力関係を、これからどう再設計していくべきなのかという問いを改めて突きつけています。
これから注目したいポイント
今後の動きとして、読者がウォッチしておきたいポイントは次の通りです。
- カリフォルニア州の裁判所が、Epicの法廷侮辱申し立てをどのように判断するのか
- EU当局が、今回のブロックをデジタル市場法の観点から問題視するのかどうか
- AppleとEpicが、アプリのアップデート内容やストア運用ルールをめぐって妥協点を見いだせるのか
Fortniteは、単なる人気ゲームを超え、モバイルアプリ市場のルールをめぐる攻防の象徴にもなりつつあります。今回のブロックが一時的な揺り戻しにとどまるのか、それともプラットフォームと開発者の関係を変える転換点となるのか。国際ニュースとしての動向だけでなく、私たちが毎日手にしているスマートフォンの「見えないルール」を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








