ISSで空気漏れが発生し宇宙飛行士が一時避難、NASAがその後指示を解除
国際宇宙ステーション(ISS)で発生した空気漏れの懸念により、NASAが宇宙飛行士に一時的な避難指示を出しました。宇宙という極限環境における安全管理の緊迫感と、迅速な判断の重要性が改めて浮き彫りとなった出来事です。
突如下された避難指示と緊迫の2時間
金曜日の午前9時4分、ISSのロシア側セクションで空気漏れが悪化していることが検知されました。これを受け、NASAはステーションに滞在していた5人の宇宙飛行士に対し、ドッキングしていたスペースX社の「クルードラゴン」への避難を指示しました。
クルードラゴンは、万が一ステーションからの緊急脱出が必要になった際の「救命ボート」としての役割を担っています。乗組員たちは指示後、速やかに機内へ移動し、安全の確認が行われるまで待機することとなりました。
避難した乗組員と状況の改善
今回の避難指示に従ったのは、以下のメンバーです。
- NASA:ジェシカ・メア、ジャック・ハサウェイ、クリストファー・ウィリアムズ
- 欧州宇宙機関(ESA):ソフィー・アデノ
- ロシア宇宙連邦国家航空宇宙局(ロスコスモス):アンドレイ・フェドヤエフ
NASAとロシアの担当者が空気漏れの速度を詳細に調査した結果、状況が管理可能であると判断され、指示から約2時間後に避難解除が発表されました。NASAの広報担当者ベサニー・スティーブンス氏は、「クルードラゴン内の乗組員に対し、セーフヘイブン(安全地帯)手続きを終了し、ISSでの予定されていた業務に戻るよう指示した」と述べています。
「セーフヘイブン」手続きとは何か
今回行われた「セーフヘイブン(Safe Haven)」手続きは、ISSにおいて非常に稀な措置です。主に以下のようなリスクが発生した際に実施されます。
- 宇宙ゴミ(スペースデブリ)がISSに衝突する危険がある場合
- 空気漏れの速度に変化が見られた場合
ISSが運用を開始して27年になりますが、これまで実際にステーション全体から完全に撤退しなければならなかったケースはありません。しかし、わずかな気圧の変化や外部からの衝撃が致命的なリスクにつながるため、このような厳格な避難プロトコルが維持されています。
宇宙空間という、一歩間違えれば生命に危険が及ぶ環境で、国境を越えて協力し、慎重にリスクを管理し続ける体制の重要性が、今回の出来事からも改めて伝わってきます。
Reference(s):
NASA reverses evacuation alert for ISS crew after air leak assessment
cgtn.com