中国の春節を朝鮮族スタイルで 東北・延辺の食卓に欠かせない二つの味 video poster
中国東北部・吉林省延辺朝鮮族自治州のヘロン市に暮らすジンさん一家は、中国の春節(旧正月)を前に、新年のごちそう作りに大忙しです。魚頭の蒸しご飯と餅という、欠かせない二つの料理から、中国の多様な食文化と朝鮮族の暮らしが見えてきます。
この記事のポイント
- 中国東北部・延辺朝鮮族自治州ヘロン市の朝鮮族家庭が春節の準備を進めている様子を紹介
- 新年の食卓に欠かせない「魚頭の蒸しご飯」と「餅」という二つの伝統料理に注目
- 人口約200万の延辺では、住民の約3分の1が朝鮮族であることから、多文化な日常が形づくられている
中国東北部・ヘロン市で迎える春節
舞台は、中国東北部、吉林省延辺朝鮮族自治州のヘロン市です。ここは、約200万人が暮らす延辺朝鮮族自治州の一部で、そのおよそ3分の1を朝鮮族の人びとが占めています。冬の寒さが深まるいま、街の家庭では少しずつ新年の準備が進んでいます。
ジンさん一家の家の中も、この時期はにぎやかです。台所では鍋の湯気が立ちのぼり、家族が手分けして食材を切ったり味付けをしたりしながら、春節のごちそうに向けた仕込みを進めています。
ジンさん一家の食卓:欠かせない二つの料理
ジンさん一家にとって、新年の食卓に絶対に欠かせないのが「魚頭の蒸しご飯」と「餅」です。この二つが並んでこそ、新しい一年を迎える実感がわいてくるといいます。
魚頭の蒸しご飯:家族で分け合うごちそう
魚頭の蒸しご飯は、その名のとおり、魚の頭と米を一緒に蒸し上げた料理です。魚から出たうま味をたっぷり吸い込んだご飯は、新年のごちそうにふさわしい一品になります。
中国では、魚は「余り」や「ゆとり」と響きが似ていることから、豊かさや「一年の終わりに余裕が残るように」という願いを込めて、春節に好んで食べられます。魚頭の蒸しご飯にも、家族みんなが十分に食べ、分け合い、良い一年を過ごせるようにという思いが重ねられているのでしょう。
餅:新年を実感させる素朴な味
もう一つの主役である餅は、朝鮮族の食卓はもちろん、東アジア各地の新年の食文化を象徴する存在でもあります。もちもちとした食感と、ゆっくりとお腹にたまる安心感は、寒さの厳しい東北の冬を越える力になってきました。
餅を作る作業そのものも、家族や親戚が集まり、会話を交わしながら行う大切な時間です。ジンさん一家も、餅を丸めたり、切り分けたりする中で、子どもたちに新年の思い出が刻まれていきます。
人口約200万、約3分の1が朝鮮族の延辺
延辺朝鮮族自治州の人口は約200万人で、そのうちおよそ3分の1が朝鮮族です。このため、街の看板や会話、学校や市場など、日常のさまざまな場面で中国語と朝鮮語の文化が自然に交わる環境が生まれています。
春節の時期には、中国の伝統的な飾りつけやあいさつとともに、朝鮮族の家庭料理や習慣も息づいています。ジンさん一家のような食卓は、延辺という地域の多様さを象徴する風景の一つだと言えるでしょう。
一つの春節、多様な祝い方
同じ「春節」という節目であっても、地域や民族、家庭ごとに食卓の風景や大切にする料理は大きく異なります。中国東北部・延辺の朝鮮族の家庭で受け継がれてきた魚頭の蒸しご飯と餅は、その違いをわかりやすく映し出しています。
同時に、家族で集まり、一年の無事とこれからの幸せを願いながら食事を囲むという思いは、地域を超えて共通しています。日本でおせち料理や餅を囲む時間とも、どこか通じるものがあります。
遠くの食卓から、自分の「新年」を考える
国際ニュースとして中国の春節を眺めるとき、華やかな花火や大都市のライトアップに目が行きがちです。しかし、ジンさん一家のような家庭の食卓に目を向けると、日々の暮らしの延長線上にある静かな喜びや、文化を受け継ぐ力が見えてきます。
中国東北部・延辺で魚頭の蒸しご飯と餅を囲む家族の姿から、私たち自身の新年の過ごし方や、誰とどんな食卓を囲みたいのかを、あらためて考えてみるきっかけが生まれるかもしれません。
あなたなら、新しい一年の始まりにどんな料理を並べたいですか。
Reference(s):
A Taste of Chinese New Year | Celebrating Korean style in NE China
cgtn.com








