ASEAN議長国マレーシアに聞く 都市間連携が変える地域協力のかたち video poster
2025年のASEAN議長国を務めるマレーシアが、地域の成長と結束の強化を掲げる中、同国の記者は「国と国」だけでなく「都市と都市」のつながりこそが、アジアの未来を動かすカギだと指摘しています。
2025年ASEAN議長国マレーシア、掲げるキーワードは成長と一体性
マレーシアは2025年のASEAN議長国を正式に引き受け、より大きな地域成長と一体性の実現を目標に掲げています。域内の経済格差や地政学的な緊張など、ASEANを取り巻く課題が多い中で、「どうやって団結を強めるか」は重要なテーマになっています。
こうした中、中国の国際メディアCGTNは、マレーシアの新聞Sin Chew Dailyの上級記者シャロン・フー・シー・ミン氏にインタビューを行いました。フー氏は、マレーシアが議長国を務めるタイミングだからこそ、都市レベルでの連携を強める好機だと強調しました。
「サブナショナル」なつながりとは何か
フー氏が語ったのは、サブナショナルな連携、つまり「国」より小さい単位である都市や州などのレベルで、ASEAN域内の協力を深めていく発想です。国家同士の合意や枠組みだけに頼るのではなく、実際に人や企業が動く都市の現場から、相互理解やビジネスを広げていこうという視点です。
インタビューでは、こうした都市レベルのシナジー(相乗効果)と協力が、ASEAN全体の議題や目標の推進に役立つと説明しました。たとえば、成長、雇用、持続可能性といった抽象的なテーマも、都市同士の具体的な取り組みとして落とし込むことで、前に進みやすくなります。
都市間協力がASEANにもたらす効果
都市レベルの連携が注目される背景には、いくつかの理由があります。ASEANのように多様な国が集まる地域では、ボトムアップ型の動きが全体のダイナミズムを高める可能性があるからです。
- 住民に近いレベルで課題解決が進む
気候変動への適応や公共交通、住宅、スタートアップ支援など、多くの課題は都市が最前線を担っています。都市同士が経験やノウハウを共有することで、ASEANの大きな目標が身近な政策として形になりやすくなります。 - スピード感のある協力が可能
国家間協議には時間がかかる一方で、都市間の覚書や共同プロジェクトは比較的柔軟に動かしやすい面があります。議長国マレーシアの都市と、他のASEAN諸国の都市が先行して連携を進めれば、地域協力の具体例を早期に示すことができます。 - 人の往来と相互理解を促進
姉妹都市交流や学生・クリエイターの交流、共同イベントなどは、国境を越えた人と人とのつながりを自然に生み出します。これは、ASEANが掲げる「地域の一体性」を、生活者レベルで実感できる形につなげる力を持っています。
ASEAN議長国としてのマレーシアに期待される役割
マレーシアは議長国として、域内の議題設定や会議の運営だけでなく、都市や地方レベルのプレーヤーをどれだけ巻き込めるかという点でも注目されています。フー氏が指摘するように、都市間協力の枠組みづくりや、優良事例の共有の場を増やすことは、ASEANの成長戦略を足元から支える動きになりえます。
今後、マレーシアが主導する会合や関連イベントの中で、都市や地方政府、民間企業、大学などがどう関わっていくかは、2025年のASEANを読み解くうえでの重要な視点になりそうです。
日本の読者にとっての意味
日本の都市や企業にとっても、ASEAN内の都市間ネットワークの強化は無関係ではありません。ASEANの都市と連携する日本の自治体や企業にとって、議長国マレーシアが推し進める都市レベルの協力は、新しいパートナーシップやビジネスのチャンスにつながる可能性があります。
国際ニュースを追う際も、「首脳会議」や「合意文書」だけでなく、都市や地域に目線を少し下げてみることで、ASEANの動きがぐっと具体的に見えてきます。2025年のマレーシア議長国のもとで、都市間連携がどこまで広がるのか。引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
Malaysian journalist: ASEAN can facilitate stronger subnational ties
cgtn.com








