米ロングビーチ港、トランプ関税で貨物2割減の懸念 video poster
米国西海岸のロングビーチ港が、トランプ氏による関税の影響で2025年末に向けて貨物量が最大2割減るおそれがあると警戒を強めています。米国のサプライチェーン(供給網)に混乱が広がれば、日本を含む世界の物流にも波紋が及ぶ可能性があります。
米有数のコンテナ港で何が起きているか
ロングビーチ港は、米国でも有数の規模を誇るコンテナ港です。その最先端のターミナルでは通常、同時に3隻のコンテナ船が接岸していますが、最近は入港した船は1隻だけで、その前日はゼロという状況になったとされています。
港を運営するロングビーチ港湾局のマリオ・コルデロCEOは、こうした急激な減速が一時的なものではなく、関税をめぐる緊張が続けば2025年末にかけて貨物取扱量が20パーセント減少する可能性があると見ています。
背景にあるトランプ氏の関税と貿易摩擦
今回の懸念の背景には、トランプ氏が打ち出した関税強化があります。米国と主要な貿易相手国との間で関税をめぐる対立が高まり、企業が輸出入の計画を見直したことで、港に流れ込む貨物のボリュームが目に見えて落ち込んでいるとみられます。
現在も関税をめぐる協議は続いていますが、コルデロ氏は協議が行き詰まれば、2025年後半の貨物量は2割減の水準に落ち込みかねないと警鐘を鳴らしています。米国西海岸の主要ハブ港でこの規模の減少が起きれば、世界の物流に与える影響は小さくありません。
懸念されるサプライチェーンの乱れ
ロングビーチ港での貨物減少は、単に米国の港湾ビジネスの問題にとどまりません。コンテナ船の寄港が減ることは、世界のモノの流れが細くなることを意味し、サプライチェーン全体のリスク要因になります。
特に影響が出やすいとみられるのは、次のような分野です。
- 米国向けの家電や衣料品などの消費財
- 自動車や機械に使われる部品
- オンライン通販で個人に直接届けられる小口貨物
港での滞留や船便スケジュールの乱れが広がれば、店頭での商品不足や、価格の上昇となって現れる可能性があります。コルデロ氏が供給の混乱や商品の不足に言及しているのは、そのリスクを念頭に置いてのことだといえます。
日本やアジアの企業への波及
ロングビーチ港はアジアとのコンテナ航路にとって重要な結節点でもあります。そのため、港の貨物量が大きく落ち込めば、日本やアジアの企業にも影響が広がるおそれがあります。
例えば、日本から米国向けに自動車部品や精密機器を輸出している企業は、船便の遅延や積み残しに備え、次のような対応を迫られるかもしれません。
- ロングビーチ港以外の港への迂回ルートの検討
- 在庫水準を一時的に高めるなどのリスク分散
- サプライチェーン全体の見直しと取引先の多様化
こうした動きは、短期的にはコスト増につながりますが、長期的にはどの港が滞っても耐えられる強いサプライチェーンを築く契機にもなります。
今後の注目ポイント
ロングビーチ港の警戒感は、関税政策という政治の決定が、どれほど迅速に物流と私たちの日常の価格に跳ね返ってくるかを示しています。今後、注目したいポイントは次の通りです。
- トランプ氏による関税をめぐる協議の行方
- ロングビーチ港や他の米国港湾での貨物取扱量の推移
- 企業による代替ルートや在庫戦略の発表
2025年の年末商戦期を迎えるなか、米国西海岸の一港で起きている変化は、やがて日本の店頭やオンラインショップの品ぞろえ、価格にも影を落とすかもしれません。ニュースを追いながら、自分の生活やビジネスにどのような形で波及しうるのか、一度立ち止まって考えてみるタイミングに来ています。
Reference(s):
Long Beach Port signals 20% cargo drop as Trump's tariffs bite
cgtn.com








