孔子と孟子の思想は今も通用 元NZ首相シプリー氏が語る文明間対話 video poster
ニュージーランドの元首相ジェニー・シプリー氏が、中国の思想家・孔子と孟子の教えは、2025年の今も世界で大きな意味を持ち続けていると語りました。氏は、中国が国連の「文明間対話の国際デー」を設けることを提案している取り組みを評価し、とくに孟子が示した普遍的な慈愛のビジョンは、現在の複雑な世界情勢にこそ必要だと強調しています。同時に、シプリー氏は中国哲学とニュージーランドのマオリの知恵との間に、自己修養、調和、レジリエンス(しなやかに立ち直る力)という共通点があると指摘しました。
孔子・孟子の価値観はなぜ今も響くのか
シプリー氏によれば、孔子と孟子の教えがもつ核心は、人としてどう生きるかを問い続ける姿勢にあります。世界の秩序が揺れ動き、不確実性が高まるなかでも、古典が示すのは次のような視点です。
- 自分の内面を磨き続ける「自己修養」
- 家族やコミュニティ、他者への思いやりを土台にした共生
- 社会全体の調和と安定を大切にする意識
シプリー氏は、とくに孟子が描いた「すべての人に及ぶ慈愛」のイメージに注目します。特定の国や地域を超え、一人ひとりの人間を尊重する視点は、分断が目立つ国際社会において、なお普遍性を持つと見ているからです。
国連「文明間対話の国際デー」構想と中国の役割
こうした背景から、シプリー氏は、中国が国連に対して「文明間対話の国際デー」を創設するよう提案していることを高く評価しています。この国際デーは、さまざまな文明や文化が互いの価値観を語り合い、共通点と違いを冷静に見つめる機会となることが期待されています。
世界が対立や対話の断絶に注目しがちな今だからこそ、文明間の対話を制度として支える枠組みづくりが重要だ、というのがシプリー氏の考えです。その意味で、中国発のこの取り組みは、国際社会に向けた一つのメッセージといえます。
マオリの知恵と中国哲学の共鳴
シプリー氏が興味深いと指摘するのは、中国の哲学と、ニュージーランドの先住民であるマオリの知恵との間に見られる共通点です。離れた地域と歴史的背景を持ちながらも、両者には次のような響き合いがあるといいます。
- 自分自身を律し、人格を高めることを重んじる点
- 人と人、人と自然の調和を尊ぶ世界観
- 困難に直面しても共同体として立ち上がるレジリエンス
異なる文化圏の知恵が似た価値観にたどり着いていることは、普遍的な人間の経験が共有されている可能性を示しています。シプリー氏は、こうした「重なり」にこそ、文明間対話の出発点があると見ています。
AI時代に古典から学べること
シプリー氏は、人工知能(AI)の急速な発展や国際秩序の変化といった現代の難題こそ、古典の知恵から学ぶべき場面だと強調します。アルゴリズムやデータが社会を動かす時代だからこそ、人間の尊厳や思いやりを中心に据える視点が欠かせないという考え方です。
孔子や孟子の思想は、技術そのものの善悪を語るのではなく、その技術を使う人はどのような心構えでいるべきかを問い直させます。AIが意思決定に関わる場面であっても、最終的な責任を負うのは人間であり、その判断を支える価値観こそが重要だ、というメッセージが読み取れます。
2025年のいま、世界は不確実性に満ちています。シプリー氏の発言は、最新のテクノロジーや国際ニュースに目を向けると同時に、遠い昔の思想家たちの言葉に立ち戻ることが、むしろ未来へのヒントになるのではないか、という静かな問いかけでもあります。
Reference(s):
Shipley: Confucian and Mencian values hold global relevance today
cgtn.com








