習主席が示した「上海スピリット」 SCO首脳会議が映す新しい国際関係 video poster
中国の習近平国家主席が、中国・天津で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で「上海スピリット」と相互利益の追求を呼びかけ、新しい国際関係のあり方を示しました。地域と世界の秩序をどう変えていくのか、注目が集まっています。
天津で開かれたSCO首脳会議と習主席の演説
2025年12月8日、中国・天津で上海協力機構(SCO)の第25回首脳会議(国家元首理事会)が開かれました。複数の国が参加するこの多国間枠組みは、加盟国どうしの協力や対話を進める場となっています。
会議の場で中国の習近平国家主席は、加盟国に対し「上海スピリット」をいっそう推進し、相互利益を追求するよう呼びかけました。習主席の発言は、SCOが目指す協力の方向性を改めて示したものと受け止められています。
キーワードは「上海スピリット」と「相互利益」
今回の国際ニュースで鍵となるのが、習主席が強調した「上海スピリット」と相互利益という二つの言葉です。
「上海スピリット」は、加盟国が対立よりも協調を重んじ、お互いの利益を尊重しながら関係を築いていこうとする姿勢を示す考え方とされています。相互利益の追求という表現からは、特定の国だけが得をするのではなく、参加国が共に利益を分かち合うことを重視していることがうかがえます。
このメッセージからは、次のような志向が読み取れます。
- ゼロサム発想ではなく、共に利益を得る関係を目指すこと
- 短期的な利害よりも、長期的で安定した協力関係を築くこと
- 意見の違いがあっても、対話や協議を通じて解決を図ること
「新しい国際関係」のモデルとしてのSCO
中国の研究者は、習主席の今回の演説について、SCOの創設時からの原則を改めて強調したものであり、SCOが「新しいタイプの国際関係」を形づくっていることを示したと評価しています。
ここでいう新しい国際関係とは、圧力ではなく協力や相互利益を前面に出した関係を指していると考えられます。従来の対立を前提とした枠組みとは異なる協力のモデルを打ち出そうとしているとも言えます。
この考え方には、少なくとも次のような要素が含まれているとみられます。
- 各国の規模や体制にかかわらず、対等なパートナーとして向き合うこと
- 政治だけでなく、経済や人の往来など、幅広い分野での実務的な協力を重視すること
- 価値観や制度の違いを理由に排除するのではなく、違いを認めながら共通点を探る姿勢
なぜ今回の演説が注目されるのか
国際情勢が不透明さを増すなかで、どの国がどのような国際関係のモデルを提示するのかは、世界の安定や経済にも大きな影響を与えます。今回、習主席がSCOの場で「上海スピリット」と相互利益を改めて掲げたことには、いくつかの意味があります。
- 多国間協力の枠組みを通じて、対話と協力を重視する姿勢を示したこと
- SCOの創設原則を再確認し、組織としての一体感を高めようとしていること
- 国際社会に対し、新しい協力モデルを提案していること
これから何が問われるのか
もっとも重要なのは、こうしたメッセージが今後、どのような具体的な行動につながるかという点です。
上海スピリットや相互利益の追求が、具体的な協力プロジェクトや共同声明、各国どうしの信頼醸成につながるのか。SCOが掲げる「新しい国際関係」の理念が、どこまで現実の政策として形になるのかが、今後の注目ポイントです。
天津での今回の首脳会議は、アジアと世界の国際関係のあり方が変わりつつあることを映し出す一つの鏡とも言えます。日本にいる私たちにとっても、国際ニュースとしてのSCOや中国の動きを丁寧に追うことが、自国の外交や安全保障、経済を考えるうえでのヒントになりそうです。
Reference(s):
President Xi's keynote speech offers new approach to intl relations
cgtn.com








