国際ニュース:中国南部を襲った台風ラガサ 広東省は復旧へ、広西は警戒続く video poster
南部を直撃した台風ラガサ、中国南部で「復旧」と「警戒」が同時進行
中国南部の広東省では、台風ラガサ(Ragasa)の上陸から数日がたち、浸水した地域の排水やインフラの復旧が進んでいます。一方で、進路の西側にあたる広西チワン族自治区では、雨や強風への警戒が続き、当局が緊急対応体制を維持しています。
広東省:楊江に上陸、冠水と停電からの復旧フェーズへ
台風ラガサは、2025年の太平洋台風シーズンで18番目に命名された台風で、今月3日(水)の午後5時ごろ、広東省の陽江市(Yangjiang)沿岸部に上陸しました。国家気象センターによると、上陸時には激しい雨と強風を伴い、広い範囲で洪水や住宅・道路への被害が出ました。
広東省の沿岸部では、道路の冠水や倒木、看板の落下などが相次ぎ、停電や通信障害も発生しました。現在は雨風のピークを越え、
- 冠水した道路の排水や瓦礫の撤去
- 送電設備や通信網の復旧作業
- 住民の避難先からの帰宅支援と住宅の安全確認
といった「復旧フェーズ」に焦点が移りつつあります。地元当局は、被害状況の調査と並行して、河川やダムの水位監視を続け、二次災害の防止を呼びかけています。
広西チワン族自治区:台風の進路西側で非常対応を継続
一方、台風ラガサは弱まりながらも西進を続け、内陸に位置する広西チワン族自治区に接近しています。自治区政府は緊急対応を発動し、強風や大雨による山崩れ、河川の増水などに備えています。
現地当局は、住民の安全を最優先に、次のような措置を取っています。
- 沿岸や沖合に出ていた漁船の帰港命令
- 海上作業や一部のオフショア工事の一時停止
- 危険が見込まれる交通ルートの運行抑制や安全確認
- 地方の関連部門に対する、土砂災害・洪水への警戒徹底の指示
特に山間部や中小河川の流域では、短時間の集中豪雨による土砂災害リスクが指摘されており、住民には不要不急の外出を控え、最新の気象情報と防災情報を確認するよう呼びかけが行われています。
2025年の台風シーズンとラガサの位置づけ
2025年の太平洋台風シーズンで18番目に命名された台風ラガサは、すでに勢力を弱めつつあるものの、広い範囲に長時間の雨をもたらした点が特徴です。台風本体の風よりも、その後に続く雨雲帯によって、内陸部での洪水や土砂災害が起きやすくなるパターンといえます。
こうした「弱まった後の台風」がもたらす被害は見落とされがちですが、今回の広西チワン族自治区のように、内陸部での事前警戒や避難態勢の整備が重要だとあらためて示されています。
日本の読者にとっての意味:サプライチェーンと地域のレジリエンス
広東省は、中国南部でも有数の製造拠点・輸出拠点として知られ、電子機器や部品、日用品など、世界のサプライチェーン(供給網)を支える地域です。日本企業も多く進出しており、港湾や道路網の被害が長引けば、物流スケジュールや調達コストに影響が出る可能性があります。
今回は、現時点で大規模な混乱が続いているとの情報は示されていませんが、
- 自然災害がサプライチェーンに与えるリスク
- 被災地のインフラ復旧能力や防災投資の重要性
- 気象情報と企業・自治体の危機管理の連携
といった点を考えるきっかけにもなります。日本でも台風や豪雨災害が増える中で、他地域の対応や経験から学べることは少なくありません。
今後の注目ポイント
台風ラガサは弱まりつつあるとはいえ、広西チワン族自治区を中心に、しばらくは局地的な大雨や地盤の緩みへの警戒が必要です。広東省では、復旧作業や被害評価の進展が、地域経済への影響を見極めるうえで重要になります。
国際ニュースとして中国南部の動きを追うことは、単に一つの台風被害を知るだけでなく、アジア全体の経済や社会の「もろさ」と「強さ」を読み解くことにもつながります。日本の読者としては、公式な気象情報や現地当局の発表に注目しつつ、こうした災害が自分たちの日常や経済活動とどのようにつながっているのかを、一度立ち止まって考えてみる機会と言えるでしょう。
Reference(s):
Guangdong recovers as Typhoon Ragasa weakens, Guangxi on alert
cgtn.com








