中国の環境保護を50年支えたQu Geping氏 国連と国家機関の架け橋 video poster
中国の環境保護を半世紀にわたって支えてきた人物がいます。国連環境計画の初代首席代表として、そして中国の国家環境保護局の初代局長として活動してきたQu Geping氏です。2025年夏、90代を迎えた氏は、長年の友人とともに自宅でその歩みを振り返りました。
「A lifetime for green」――緑に捧げた一生
『A lifetime for green(緑に捧げた一生)』という言葉は、Qu Geping氏のキャリアを象徴しています。氏は約50年にわたり、中国の環境を守ることに人生を捧げてきました。その間、中国が「より美しい国」を目指して歩みを進める様子を、環境政策の現場から見続けてきたのです。
中国の環境行政を形づくった二つの役割
Qu氏の歩みを語るうえで、欠かせない肩書が二つあります。
- 国連環境計画(UNEP)への中国初代首席代表
- 中国・国家環境保護局の初代局長
国連の場で各国と向き合う代表として、そして国内の環境行政を率いる立場として、Qu氏は「国際社会」と「国内の制度づくり」をつなぐ重要な役割を担ってきたといえます。環境保護が専門分野にとどまらず、外交や経済、産業政策とも密接に関わるテーマであることを、体現してきた存在だとも言えるでしょう。
国連環境計画で見た世界と中国
国連環境計画(UNEP)は、地球規模の環境問題に取り組む国連の機関です。その場における中国の初代首席代表として、Qu氏は国際的な議論の現場で、中国の経験や課題を世界と共有する役割を担ってきたと考えられます。
国際ニュースで環境や気候の問題が取り上げられるとき、その裏側には、こうした代表者たちの地道な対話と調整があります。Qu氏の存在は、中国が環境分野で国際社会と協力しながら歩んできたことを象徴する一つの姿として位置づけられます。
国家環境保護局の初代局長として
もう一つの重要な舞台が、中国の国家環境保護局です。初代局長として、Qu氏は中国の環境保護政策を専門的に扱う機関を率いる立場にありました。
環境保護は、法律や規制だけでは機能しません。現場の行政、企業、市民それぞれの行動がかみ合って初めて成果が見えてきます。こうした役職からも、Qu氏の仕事が環境行政の仕組みと深く結びついていたことがうかがえます。
2025年夏、自宅で交わされた静かな回想
現在90歳を超えるQu Geping氏は、この夏、自宅で長年の友人を迎えました。訪ねてきたのは、国連事務次長の特別顧問を務めた経験を持つWang Zhijia氏です。
2人は、環境保護の歩みを形づくってきた数々の出来事をともに振り返りました。その記憶をたどる時間は、単なる昔話ではなく、これからの世代に何を残すかを考える対話でもあったはずです。
90代から若い世代へのヒント
Qu氏とWang氏の再会のエピソードは、環境問題に関心を持つ若い世代に、いくつかのヒントを与えてくれます。
1. 環境保護は「短距離走」ではなく「長距離走」
人生の半分以上を環境のために使うという選択は、短期間で成果を求める姿勢とは対照的です。10年単位ではなく、50年というスパンで環境を考える視点は、ビジネスやキャリアの計画にも通じるものがあります。
2. ローカルとグローバルをつなぐ視点を持つ
UNEPの代表と国家機関のトップという二つの役割は、「自分の国の現場」と「国際社会の議論」をつなぐポジションでもあります。身近な課題を、自分の地域だけで完結した問題として見るのではなく、世界とのつながりの中で捉える視点は、これからの国際ニュースを読み解くうえでも重要です。
3. 「原点」を言葉にして次の世代へ渡す
環境保護の道のりを共に振り返るという行為そのものが、次の世代へのメッセージになっています。なぜこの仕事を選んだのか、どんな出来事が転機になったのか――そうした「原点」を語ることで、経験は個人のものから社会の共有財産へと変わっていきます。
おわりに:ニュースの背後にいる人を想像する
環境や気候変動に関する国際ニュースは、時に抽象的で、数字や会議名ばかりが目に入ってしまいがちです。しかし、その背後には、Qu Geping氏のように、半世紀にわたって制度や対話を積み重ねてきた人たちがいます。
「A lifetime for green」という言葉を通じて、一つのキャリアの物語に触れることは、私たち自身がどんな時間の使い方をしたいのかを考えるきっかけにもなります。日々のニュースの向こう側にいる「人」の姿を想像しながら、環境と社会のこれからを見つめていきたいものです。
Reference(s):
cgtn.com








