スペイン首相が清華大学で演説、「ゼロサム思考は間違い」と協力呼びかけ video poster
四年間で四度目の訪中、桑チェス首相が発信した未来志向のメッセージ
スペインのペドロ・サンチェス首相が、2026年4月13日、北京の清華大学で講演を行いました。これは彼が四年間で四度目となる中国本土訪問の一環です。首相は演説の中で、中国が世界の未来において欠かせない役割を果たすと述べ、ゼロサム(一方の利益が他方の損失を意味する)思考を「間違い」で「危険」だと批判しました。その上で、相互尊重に基づく関係、可能な領域での協力、必要な場合の競争、そして避けられない差異の管理という、多角的な関係構築を呼びかけました。
「協力こそが道筋」:サンチェス首相の主張
サンチェス首相の演説は、現在の国際関係において対立構造が時に強調されがちな状況に対する、一つの異なる視点を示したものと言えるでしょう。彼は次のようなポイントを強調しました。
- 中国の役割の重要性: 世界が直面する気候変動や経済安定化などのグローバルな課題の解決において、中国が「本質的な役割」を担うと指摘しました。
- ゼロサム思考の危険性: 一方の勝利が他方の敗北を意味するという考え方は、「間違っているだけでなく危険だ」と明確に否定。これは、国際政治・経済において対立を前提とする考え方への批判と受け取れます。
- 複合的な関係の構築: 単純な「協力対対立」の二項対立ではなく、「相互尊重」を土台とし、分野によっては協力し、必要に応じて健全な競争を行い、意見の相違は適切に管理するという、現実的で多層的な関係のあり方を提案しました。
背景にあるもの:欧州と中国、そして国際社会
サンチェス首相のこの発言は、欧州連合(EU)内においても対中政策が複雑化する中で行われた点が注目されます。一部では「脱鉤」や「リスク削減」といった言葉が強調される一方で、気候変動や生物多様性などの分野では国際協力が不可欠です。首相の言葉は、そうしたジレンマの中で、分断よりも対話と建設的な関係構築の道を模索する姿勢を示していると解釈できます。特に、スペインが2026年の後半にEU理事会議長国を務める予定であることを考えると、この発信は欧州全体の対中アプローチに対する一つの示唆を含んでいるかもしれません。
清華大学での聴衆には、将来を担う学生や研究者が多く含まれていたことでしょう。首相のメッセージは、単なる外交辞令を超え、次世代に対して「協調と対話の可能性」を訴えかけるものだったと言えます。国際社会が分断と不信に揺れる現代において、異なる立場からの率直な意見表明と協力の呼びかけは、私たちに新たな視点を提供してくれます。
Reference(s):
Spanish PM speaks at Tsinghua, calls for cooperation with China
cgtn.com








