中国、次世代チップ・バッテリー向け超薄銅箔を開発 video poster
次世代の電子デバイスやエネルギー貯蔵技術の開発を加速する可能性がある超薄銅箔が、中国の研究チームによって開発されました。高い強度と導電性を両立するこの材料は、半導体やバッテリー産業に新たな道筋を示すものです。
『Science』誌で発表された画期的な材料
2026年4月17日付の科学誌『Science』に掲載された研究によると、中国の研究者らは厚さわずか10マイクロメートル(μm)の銅箔の開発に成功しました。この材料は、約900メガパスカル(MPa)という高い引張強度と、標準的な銅の90%という優れた電気伝導度を同時に実現しています。さらに、高い熱安定性も示されており、過酷な環境下での使用も期待できます。
従来の課題を克服した特性
電子機器の小型化・高性能化が進む中で、内部配線や電極に使われる銅箔は、より薄く、より強く、そして電気をよく通すことが求められてきました。しかし、これら三つの特性を全て高次元で満たすことは技術的に難しく、トレードオフの関係にありました。今回開発された銅箔は、そのジレンマを打破する可能性を秘めています。
- 高い強度: 約900 MPaの引張強度は、同じ厚さの従来品と比べて飛躍的な向上です。
- 優れた導電性: 標準的な銅の90%という導電率は、極薄の材料においては極めて高い値です。
- 熱への耐性: 高温環境下でも特性が大きく劣化しないため、信頼性の高いデバイス製造に貢献します。
広がる応用の可能性
この超薄銅箔が実際に応用されれば、さまざまな技術分野に波及効果が及ぶと見られています。
まず、半導体チップの微細化が進む中で、より細く、より効率的な配線材料としての需要が見込まれます。これにより、計算性能の向上や消費電力の低減に寄与するかもしれません。また、電気自動車や携帯端末向けのリチウムイオンバッテリーでは、電極材料として使用することで、エネルギー密度の向上や充電速度の向上が期待されます。研究者らは、この材料が「先進的な電子機器とバッテリー応用への新たな道筋を提供する」と述べています。
材料科学の競争と協調
高性能材料の開発は、日本を含む世界各国で活発に進められている分野です。今回の中国での研究成果は、国際的な技術競争の一つの到達点を示すと同時に、今後の協調的な研究開発のきっかけとなるかもしれません。材料の基礎特性が明らかになったことで、産学連携による実用化研究が世界各地で加速することが予想されます。
次世代テクノロジーを支える基盤材料の進歩は、最終的により高性能で持続可能な製品を私たちの手元に届けることにつながります。この超薄銅箔の開発が、そのための重要な一石となるかどうか、今後の展開に注目が集まります。
Reference(s):
China unveils ultrathin copper foil for next-gen chips and batteries
cgtn.com








