中国とASEANの未来を語るCGTN特別対話 The Power of Ideas video poster
2025年は、ASEAN共同体の正式な設立から10年という節目であり、中国とASEANの人的交流強化の取り組みが2年目を迎える年でもあります。こうした中で、中国とASEANの関係をどのように動的で強靭、そして未来志向の戦略的パートナーシップへと発展させていくのかを探る対話が、国際ニュースとして注目を集めました。
2025年、ASEAN共同体10周年という節目の年に
2025年は、ASEAN共同体の正式な発足から10周年にあたります。同時に、中国とASEANの間で進められている人的交流 ASEAN-China People-to-People Exchanges の2年目の年でもあります。
地政学的な緊張や経済の不透明感など、複雑な逆風が続く中で、中国とASEANがどのように協力を深めるのかは、日本を含むアジア全体にとっても重要な国際ニュースのテーマです。
CGTNの特別シリーズ The Power of Ideas: A China-ASEAN Dialogue
こうした背景のもと、中国の国際放送局CGTNは、特別シリーズ The Power of Ideas: A China-ASEAN Dialogue を制作しました。シリーズでは、中国とASEANの将来像を、アイデアと対話の力を通じて考えることがねらいとされています。
今年4月15日には、その対話のハイライトが、北京時間22時15分から放送されました。番組では、中国とASEANが複雑な環境の中で連携を強め、より動的で強靭、そして先を見据えた戦略的パートナーシップを築くための方向性が議論されました。
4人の専門家が語った中国・ASEAN関係
番組には、マレーシアを中心に中国と深い関わりを持つ4人のゲストが登場しました。それぞれが異なる立場から、中国とASEANの協力のあり方を語りました。
- オング・ティー・キアット氏(Ong Tee Keat)
アジア太平洋地域の Belt and Road Initiative Caucus for Asia Pacific の会長で、マレーシアの元運輸相。中国の一帯一路構想に関わる視点から、中国とASEANの連結性について経験を踏まえて語ったとみられます。 - ダト・アブドゥル・マジド・アフマド・カーン氏(Dato Abdul Majid Ahmad Khan)
Malaysia-China Friendship Association の会長で、元駐中国マレーシア大使。外交と友好交流の両面から、中国とASEANの関係を長期的に見てきた人物です。 - タン・イン・フォン氏(Tan In Fong)
Malaysia-China Chamber of Commerce の事務総長として、ビジネスの現場から中国とASEANの経済的結びつきを見てきた立場です。 - コー・キング・キー氏(Koh King Kee)
マレーシアの Centre for New Inclusive Asia の会長として、地域の将来を多角的に考える視点を提供しました。
政府、ビジネス、交流団体など、多様な立場の声を並べることで、中国とASEANの関係を一つの視点に固定せず、立体的に捉えようとする構成になっている点が特徴的です。
人的交流が戦略的パートナーシップを支える
今回の対話の背景にあるキーワードが、ASEAN-China People-to-People Exchanges という人的交流です。人的交流とは、観光や留学、文化・ビジネス・専門職同士の対話など、人と人との往来を通じて相互理解を深める取り組みを指します。
複雑な地政学や経済の環境のもとでは、政治や経済の枠組みだけでは相互不信が高まりやすくなります。その中で、人と人のレベルで信頼関係を育てることは、次のような意味を持ちます。
- 誤解や固定観念を和らげる土台をつくる
- 危機の際にも対話のチャンネルを保つためのネットワークになる
- 新しい協力アイデアが生まれる場になる
番組タイトルにある The Power of Ideas という言葉には、制度や数字だけでは測れない、こうした人的ネットワークと発想の力への期待も込められていると受け取れます。
中国とASEANの未来に向けた問い
4月の対話は、すでに終了した番組ですが、そこで投げかけられたテーマは、2025年の今も続く問いでもあります。それは、複雑な国際環境の中で、中国とASEANがどのように協力を進めるのか、ということです。
- 経済・安全保障・人的交流を、どのようなバランスで組み合わせていくのか
- 短期的な利害の対立を超えて、どのように長期的な信頼を積み上げるのか
- メディアや対話の場が、相互理解のためにどこまで貢献できるのか
中国とASEANの関係は、日本の経済や安全保障にも間接的な影響を与えます。2025年という節目の年に行われたこの対話は、アジアの将来を考えるうえで、私たち自身がどのような視点で国際ニュースを読み解くのかを問い直す機会にもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








