ロサンゼルスで100万人がホームレス経験 家賃高騰が招く深刻な住宅危機 video poster
アメリカ最大の郡とされるロサンゼルス郡で、少なくとも100万人の住民が人生のどこかでホームレス状態を経験していることが、南カリフォルニア大学(USC)の最新調査で明らかになりました。家賃高騰で引っ越しを迫られる人も多く、住宅と生活の安定をめぐる危機が浮き彫りになっています。
USC「L.A. Barometer」調査とは
今回の結果は、USCが毎年行っている世論調査「L.A. Barometer」によるものです。調査はロサンゼルス郡の住民を対象に、生活の実感や地域の課題についてたずねています。
100万人が一度はホームレスを経験
調査によると、ロサンゼルスでは少なくとも100万人の住民が、一度はホームレス状態を経験したことがあるとされています。つまり、住まいや仕事、健康状態など、さまざまな事情で「家を失う」リスクが、多くの人にとって身近なものになっているということです。
ホームレスというと、一部の人だけに起きる特別な出来事のように感じがちですが、この数字は「いつ誰が当事者になってもおかしくない」現実を示しています。
引っ越しの約3割が「家賃に押し出された」結果
同じ調査は、ロサンゼルス郡でこの1年のあいだに引っ越しをした住民の状況も聞き取りました。その結果、引っ越しをした人のうち29%が、家賃の上昇によってやむなく住まいを変えざるをえなかったと答えています。
「もっと広い家に」「職場に近づくために」といった前向きな理由ではなく、「今の家賃が払えなくなったから」という、選択肢の少ない引っ越しが増えている現状がうかがえます。こうした「強制的な移動」が続くと、コミュニティとのつながりや仕事、子どもの教育にも影響が出やすくなります。
ホームレス危機をめぐる住民投票
ロサンゼルス郡の住民は、ホームレス危機への対応をテーマにした複数の住民投票案件について、投票で意思表示を行う予定です。調査結果が示すように、多くの人が住宅の不安定さを経験している中で、どのような対策を選ぶのかが問われています。
住民投票では、ホームレス対策をどの程度優先するのか、限られた財源をどう配分するのかといった点が議論の焦点になりそうです。投票結果は、今後数年の政策だけでなく、地域社会の方向性そのものを左右する可能性があります。
ロサンゼルスの住宅危機から見えること
今回の調査から見えてくるのは、次のようなポイントです。
- ホームレス経験者が100万人という規模に達していること
- 家賃の上昇が、引っ越しの大きな理由になっていること
- 住民が投票を通じて、ホームレス危機への対応策を選ぼうとしていること
世界有数の大都市を抱える地域で、これほど多くの人が住まいの不安を抱えているという事実は、「経済が成長している地域でも、生活の基盤である住宅が必ずしも守られていない」という現代の矛盾を象徴しているとも言えます。
私たちへの問いかけとして
ロサンゼルスのホームレス危機は、遠い国の出来事として片付けられるものではありません。都市への人口集中や家賃の上昇は、多くの地域で共通する課題でもあります。
今回のニュースから、次のような問いを自分ごととして考えてみることができます。
- 「家賃が払えるかどうか」が生活の不安の中心になっていないか
- 困ったときに頼れるセーフティネットや支援のしくみは身近にあるか
- 住宅や福祉に関する政策決定に、市民としてどう関わることができるか
ロサンゼルスの100万人という数字は、統計であると同時に、一人ひとりの暮らしの物語でもあります。住宅と生活の安定をどう守っていくのか。今回の調査結果は、その問いを私たちにも投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








