アサド政権崩壊後初のシリア国民会議 来年1月ダマスカスで開催へ
シリアでアサド政権が12月8日に崩壊したのを受け、来年1月4〜5日に首都ダマスカスで全国規模の「国民会議」が開かれる予定です。新たな政治体制や武装勢力の扱い、湾岸諸国との関係構築が議論される見通しで、中東情勢をめぐる国際ニュースとして大きな節目となりそうです。
アサド後の初の全国会議 1,200人規模で開催へ
複数のメディアの報道によりますと、この「国民会議」はシリアの将来像を話し合う場として、ダマスカスで1月4〜5日に開催されます。アラブのこの国で政権交代後に開かれる初めての全国会議とされています。
主催者は、国内外から約1,200人のシリア人を招く計画で、これとは別に各県から70〜100人ずつの代表を加える方針だと伝えられています。参加者は、社会のさまざまな層を幅広くカバーする構想です。
武装勢力の解体と新政府樹立が焦点に
トルコの放送局A Haberによると、会議では、アハメド・シャラー氏が率いる「ハヤート・タハリール・アル・シャーム」を含むすべての武装勢力の解体が発表される見通しです。シャラー氏は、12月8日のアサド政権打倒で重要な役割を果たしたとされています。
また、会議では新しい憲法案を作成するための委員会の設置が見込まれていて、1か月以内に新政府を樹立する提案も議論される予定です。若者団体、女性団体、宗教指導者、市民社会組織の代表なども出席し、幅広い意見を反映させることが意図されています。
衛星テレビ局アルジャジーラは、国民会議に向けた準備委員会の設置も検討されていると伝えました。一方、シャラー氏が率いるシリア暫定行政は、会議について公式な声明をまだ出していません。
シリア暫定行政、湾岸諸国との関係強化を表明
暫定行政は、湾岸協力会議(GCC)代表団との高官級協議を受けて、湾岸諸国との関係を一層強化する方針を示しました。サウジアラビア系のテレビ局アルアラビーヤが伝えています。
代表団は、クウェートのアブドラ・アリ・アルヤフヤ外相と、GCCのジャーセム・モハメド・アルブダイウィ事務局長が率いています。
共同記者会見で、シリア暫定行政のアサアド・ハッサン・アルシバーニ外相は、長期化した紛争の間とその後にシリアの人々を支えてきたアラブ諸国への感謝を表明しました。アルシバーニ氏は「シリアを再びアラブの環境に再統合したい」と述べ、GCC代表団にはシリアの将来構想を説明したことを明らかにしました。また「湾岸の兄弟たちとの関係をさらに強化していきたい」と強調しました。
これに対しアルヤフヤ外相は、GCC加盟国がシリアと連帯していると述べ、シリアの主権を尊重し、その安定を支えることの重要性を強調しました。「われわれは、シリアの領土的一体性を損なういかなる行為も認めない」と述べ、GCCとしてシリアの人々を支援していく姿勢を示しました。
アルヤフヤ氏によると、GCC側は事実上の指導者とされるアハメド・シャラー氏とも会談し、戦争で疲弊したシリア経済の立て直しや国際制裁の解除の必要性などについて意見を交わしました。
アルブダイウィ事務局長も、シリアの主権と統一を尊重するというGCCの基本的立場をあらためて確認しました。そのうえで、シリアの「包括的な政治的移行」は、地域の持続的な安定のために不可欠だと述べました。また、シリア情勢へのいかなる外国からの干渉にも反対する姿勢を示し、イスラエルに対して占領下にあるゴラン高原からの即時撤退を求めるとともに、この地域での入植拡大を非難しました。
シリア内政と中東情勢への影響
今回の国民会議は、シリアの政治体制をどのように再構築するのかを方向づける重要な節目となります。武装勢力の扱い、新憲法の中身、新政府の権限配分などをめぐって、国内のさまざまな勢力や地域の利害をどう調整するのかが問われます。
一方で、武装勢力の解体がどこまで実行されるのか、安全保障上の空白を生まないのか、元戦闘員の処遇をどうするのかなど、移行プロセスには多くの課題もあります。紛争で影響を受けた住民や避難民の声をどこまで反映できるかも焦点になりそうです。
湾岸諸国との関係強化の動きは、シリアの再建資金や経済復興の行方とも直結します。GCC側が訴える制裁解除の行方や、アラブ諸国との協力枠組みがどの程度具体化するかによって、シリアの復興スピードや国際的な立ち位置は大きく変わる可能性があります。
アサド政権崩壊後のシリアは、国内和解と政治的包摂(インクルージョン)をどこまで実現できるのか、そして周辺地域の安定にどうつながっていくのか――来年の国民会議は、そのスタートラインを世界に示す場となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








