米国株が反落 トランプ政権の新関税案に市場が神経質
トランプ政権による新たな関税案をめぐる不透明感から、米国株式市場が反落しました。関税の対象や発動タイミングが揺れる中で、投資家心理の揺らぎと、市場が冷静に見ているポイントが浮かび上がっています。
米国株式市場、関税不安で反落
月曜日の米国株式市場では、トランプ政権の関税導入計画を受けて主要株価指数がそろって下落しました。
- ダウ工業株30種平均:122.75ドル(0.28%)安の44,421.91
- S&P500種指数:45.96ポイント(0.76%)安の5,994.57
- ナスダック総合指数:235.49ポイント(1.20%)安の19,391.96
S&P500の11セクターのうち6セクターが下落し、とくにテクノロジーと一般消費財がそれぞれ1.80%安、1.35%安と軟調でした。一方で、相対的に景気の影響を受けにくい生活必需品と公益が0.68%高、0.46%高と堅調で、リスク回避の流れがにじみました。
新関税案の中身は
市場の神経質なムードの背景には、トランプ政権が準備を進める新たな関税案があります。当初、これらの関税は火曜日から発動される予定とされていました。
- カナダ・メキシコからの輸入品:25%の追加関税
- 中国からの輸入品:10%の追加関税
- ただしカナダからのエネルギー輸入は10%に抑制
米国の主要な貿易相手国を一度に対象とする内容であることから、企業収益や物価への影響が意識され、株式市場の重しとなりました。
メキシコ・カナダ向け関税は一時停止
ただ、この関税をめぐる動きは一方向ではありません。月曜の取引時間中にも、相次いで新たな政治的メッセージが出され、市場の下げ幅をある程度押し戻しました。
トランプ氏は月曜朝、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領と電話会談を行い、メキシコからの輸入品への関税発動を1か月間延期することで合意しました。メキシコ側は、フェンタニルの密輸や不法移民を抑制するため、国境への部隊派遣を約束したとされています。
さらに同日、トランプ氏は、直前の土曜日に発表していたカナダ向け関税についても、30日間の一時停止を表明しました。この期間中に、カナダとの間で最終的な経済合意が成立し得るかどうかを見極めるとしています。
こうした「一時停止」や「猶予」のニュースが伝わると、米主要指数は午前中にかけて下げ幅を縮小し、市場が状況を探りながら反応している様子がうかがえました。
専門家「非常に流動的な状況」
資産運用会社G Squared Private Wealthのビクトリア・グリーン氏は、今回の国際ニュースについて、状況はまだ固まっていないと見ています。
グリーン氏は、
「これは非常に流動的で進行中の状況だ。足元の基本シナリオとしては、これらの関税の多くは一時的なものであり、最終的には譲歩によって水準が引き下げられる可能性が高いと見ている。企業の利益見通し、米ドル、インフレにどう影響するのか注視している」
とコメントしています。
影響は「数四半期かけて」じわじわと
米ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートも、政権の関税戦略について慎重に分析しています。同インスティテュートは、関税の打ち出し方が、対象を絞り、段階的に導入するものだと評価し、米国の成長への混乱を抑えようとする意図があるとみています。
グローバル投資戦略責任者のポール・クリストファー氏は、米経済の主役が依然としてサービス産業である一方、製造業は需要の弱さや価格決定力の低下に直面していると指摘します。
クリストファー氏は、
「目に見える影響が出るまでには、おそらく数四半期はかかるだろう。いずれ物価がやや押し上げられる可能性はあるが、すぐにというわけではない」
と述べ、短期的な景気急変よりも、じわじわとした影響を重視する姿勢を示しました。
日本の投資家は何を見るべきか
今回の米国の関税をめぐる動きは、日本を含む世界の投資家や企業にとっても無視できないテーマです。関税が長期化・拡大すれば、サプライチェーンの再編や輸出企業の収益見通しに影響し得るためです。
とくに、次のような点が注目ポイントになります。
- ハイテクや一般消費関連など、景気に敏感な銘柄への価格変動の高まり
- 生活必需品や公益など、防御的とされるセクターへの資金シフトの有無
- 関税の最終的な適用対象や税率、各国が対抗措置を取るかどうか
- 物価や企業コストへの影響が、どのタイミングで表面化するか
国際ニュースがマーケットを大きく揺らす局面では、強い言葉の見出しだけに反応するのではなく、自分の資産やビジネスにとって何が本質的な変化なのかを見極める姿勢が求められます。
関税をめぐる米国の動きは、今後も折に触れてニュースとなる可能性があります。日本語で最新の国際ニュースに触れながら、視野を少し広げて世界経済の流れを追いかけていくことが、これからの投資・キャリアを考えるうえでの大きなヒントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








