トランプ米大統領とプーチン露大統領、今月にもウクライナ和平協議へ
トランプ米大統領が、ウクライナ和平を巡ってプーチン露大統領と今月中にも会談する考えを表明しました。サウジアラビア・リヤドでの米ロ協議や、ウクライナのゼレンスキー大統領への厳しい発言など、揺れ動く和平プロセスを整理します。
今月中にもトランプ氏とプーチン氏が会談へ
米国のドナルド・トランプ大統領は、今月の記者会見で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と「おそらく今月中に」会談し、ウクライナで続く戦闘の終結に向けた和平協議を行う見通しだと明らかにしました。
この発言の直後、クレムリン(ロシア大統領府)も会談の可能性を認めており、米ロ両国がウクライナ問題で直接的な政治決着を模索し始めたことが浮き彫りになっています。
リヤドでの米ロ協議と「4つの原則」
トランプ氏の発言に先立ち、サウジアラビアの首都リヤドでは、米ロ代表団によるウクライナ問題の協議が行われました。ロシア側はラブロフ外相、米国側はルビオ国務長官が出席し、長時間の話し合いの結果、両国は4つの原則で合意したとされています。
ルビオ国務長官によると、その中には紛争の終結に向けた高官レベルのチームを立ち上げ、関係当事者にとって受け入れ可能で、長続きする形での解決策を協議することが含まれます。
ロシア大統領報道官のペスコフ氏は、このリヤド協議を「ウクライナ紛争の解決に向けた、非常に重要な一歩」と位置づけました。ラブロフ外相とルビオ国務長官の合意を受けて、両国の外交当局が今後、本格的な協議に入ると説明しつつも、「すべてを1日や1週間で解決することはできない。先は長い」と慎重な見通しも示しています。
ウクライナ抜きの協議に高まる警戒感
一方で、今回のリヤド協議にはウクライナは招かれていません。この点を巡って、ウクライナ側には強い警戒感が広がっています。
トランプ氏は、フロリダ州マー・アー・ラゴの記者会見で、ウクライナが協議から外れているとの懸念を一蹴しました。ゼレンスキー大統領について、3年前から戦争が続いているのに終わらせることができなかったとして、「3年間そこにいるのだから、終わらせるべきだった。最初から始めるべきではなかったし、合意をまとめることもできたはずだ」と厳しく非難しました。
ゼレンスキー氏へのこれまでで最も厳しい批判
トランプ氏はさらに、ゼレンスキー氏を「交渉役として不十分だ」とし、著しく無能だとまで評しました。これは、これまでのトランプ政権の発言の中でも、ゼレンスキー氏に対する最も厳しい評価とされ、これまでの米国の対ウクライナ政策からの路線変更を示すものと受け止められています。
米国がロシアとの直接協議を加速させる一方で、ウクライナの立場や意向がどこまで反映されるのかが見えにくくなっていることは、今後の和平プロセスの大きな不確実要因と言えます。
ゼレンスキー氏、サウジ訪問をキャンセル
ゼレンスキー氏は、ロシアとのいかなる和平交渉も、自国に対する一定の安全保障が担保されない限り進められないとの立場を繰り返し強調しています。リヤドでの米ロ協議後に予定されていたサウジアラビア訪問についても、「偶然を避ける」ことを理由にキャンセルしました。
トルコの首都アンカラ訪問中の記者団に対し、ゼレンスキー氏は「私たちは完全に誠実で開かれている。だからこそ、いかなる偶然も望まないし、そのためにサウジアラビアには行かない」と述べ、ウクライナ抜きで米ロが話を進めているとの印象を避けたい考えをにじませました。
欧州の平和維持部隊構想と米国の距離
トランプ氏は、欧州諸国がウクライナに平和維持部隊を派遣する構想についても言及しました。ヨーロッパの部隊が現地に駐留することについては「問題ない。全く反対しない」と述べ、一定の支持を示しましたが、米軍の派遣については「米国は地理的に遠すぎる」として、参加しない考えを明確にしました。
つまり、紛争の政治決着や安全保障の担い手としてはヨーロッパを前面に押し出しつつ、米国自身は距離を取りたいという姿勢がにじみます。これは、リヤドでの米ロ協議を主導しながらも、自国兵士をウクライナに送ることには慎重という、トランプ政権の現実的な計算を反映しているとも見られます。
米ロ接近が示す政策転換とそのリスク
今年1月のトランプ大統領就任以降、それまで冷え込んでいたワシントンとモスクワの関係には、徐々に融和の兆しが見え始めました。今回のリヤド協議と、今月中にも予定されるトランプ・プーチン会談の動きは、その流れをさらに強めるものです。
一方で、ウクライナが交渉の場から置き去りにされれば、合意の正当性や持続可能性に疑問が生じる恐れもあります。ゼレンスキー氏が求める安全保障の具体像もまだ見えておらず、和平合意がウクライナの主権や人々の安全とどこまで両立するのかは、今後の大きな焦点になります。
今後の注目ポイント
- トランプ大統領とプーチン大統領による会談の具体的な日程と場所
- リヤド協議で合意された4つの原則と高官チームの中身
- どの段階で、どのような形でウクライナが交渉のテーブルに加わるのか
- 欧州による平和維持部隊構想が現実味を帯びるかどうか
- 米ロの接近が、他の地域や国際秩序にどのような影響を及ぼすのか
長期化するウクライナ紛争の行方を左右し得る米ロ首脳会談は、今月の国際ニュースの中でも最も重要なイベントの一つになりそうです。日本から状況を追う私たちにとっても、誰が交渉の主役となり、どのような安全と秩序が描かれようとしているのかを、冷静に見極める必要があります。
Reference(s):
Trump, Putin likely to meet this month for Ukraine peace talks
cgtn.com








