トランプとゼレンスキーが激しい応酬 リヤド米ロ協議後のウクライナ巡る発言整理 video poster
サウジアラビアのリヤドで行われた米ロ高官協議をきっかけに、米国のドナルド・トランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の間で応酬が激しくなっています。ウクライナ抜きで進む和平協議と、その裏で飛び交う言葉は、3年目に入ったロシア・ウクライナ紛争の行方にどんな影響を与えるのでしょうか。
ウクライナ不在のまま進んだリヤドの米ロ協議
今週、サウジアラビアのリヤドで、米国とロシアの代表団が高官協議を行い、3年に及ぶロシア・ウクライナ紛争の終結と両国関係の正常化に向けて協力していくことで一致しました。しかし、この協議には当事者であるウクライナは参加しておらず、ウクライナ側には強い不満と警戒感が広がっています。
トランプ氏「3年前に終わらせるべきだった」
リヤドでの米ロ協議後、トランプ大統領はフロリダ州パームビーチのマールアラゴで記者団に対し、ウクライナが協議に招かれなかったことを問題視しない姿勢を示しました。トランプ氏は「(ウクライナ側から)『招かれていない』という声を聞いたが、あなたがたは3年間そこにいた。3年前に終わらせるべきだったし、そもそも始めるべきではなかった。取引をまとめることもできたはずだ」と述べ、ゼレンスキー政権の対応を批判しました。
さらにトランプ氏は、根拠を示さないまま、ゼレンスキー大統領の支持率は「4%にすぎない」と主張しました。一方、ウクライナの世論調査機関による最近の調査では、57%のウクライナ人がゼレンスキー氏を信頼しているという結果が示されており、トランプ氏の評価とは大きく食い違っています。
ゼレンスキー氏「ロシア発の偽情報の泡の中にいる」
トランプ氏の発言を受けて、ウクライナのゼレンスキー大統領は水曜日、キーウでの記者会見で強く反論しました。ゼレンスキー氏は、トランプ氏の「低い支持率」発言や、ウクライナが紛争を始めたとする主張について「ロシアから来た多くの偽情報だ」と指摘しました。
「私たちはこの偽情報を見てきたし、それがロシアから来ていることを理解している」と述べたうえで、「残念ながら、私たちが深く敬意を払っている国の指導者であるトランプ大統領は、この偽情報の泡の中で生きている」と語りました。また「トランプ陣営からは、もっと真実が聞きたい」とも訴えました。
トランプ氏はSNSでゼレンスキー氏を「独裁者」と非難
これに対しトランプ氏は、自身のSNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」で言葉をさらに強めました。トランプ氏はゼレンスキー氏を「選挙のない独裁者」であり「ひどい仕事をしてきた」と非難し、「彼の国は粉々になり、何百万人もの人々が不必要に死んだ――そして今も続いている」と投稿しました。さらに「ゼレンスキーは素早く動かなければ、国は残らないだろう」と警告するなど、極めて厳しい表現で批判を続けています。
資源と安全保障をめぐる駆け引き
こうした応酬の一方で、ゼレンスキー氏はここ数カ月、米国からの支援継続を確保するためにトランプ氏の支持を慎重に求めてきたとされています。今年2月初めには、トランプ氏の要求と歩調を合わせる形で、ウクライナの「重要な資源」と引き換えに米国の支援を続ける可能性に言及していました。
しかしリヤドでの米ロ協議前、ゼレンスキー氏は側近に対し、トランプ政権の当局者から提示されていた提案を退けるよう指示しました。その提案は、ウクライナのレアアース(電気自動車やハイテク製品に不可欠な希少金属)への広範なアクセスを米国に与える代わりに、支援を得るという内容でしたが、ゼレンスキー氏は「ウクライナの利益を十分に守るものではない」と判断したとされています。
それでも対話の余地を示すゼレンスキー氏
一方で、ゼレンスキー氏は対話の扉を完全には閉ざしていません。木曜日には、ウクライナ・ロシア担当の米国特使キース・ケロッグ氏とキーウで会談し、「生産的な会合だった」と述べました。
ゼレンスキー氏は、この会合で「最も迅速で建設的な成果の出し方を提案した」としたうえで、ウクライナへの支援と超党派の支持に対して米国に謝意を示しました。また、トランプ氏との間で「強力で効果的な投資・安全保障協定」に署名する用意があるとも表明し、厳しい言葉の応酬が続く中でも現実的な妥協点を模索する姿勢をにじませています。
言葉の戦いが和平プロセスに与える影響
ウクライナが参加しないまま進んだ米ロ協議、そしてその後に表面化したトランプ氏とゼレンスキー氏の激しい言葉の応酬は、和平プロセスの不透明さを改めて浮き彫りにしました。支援国である米国のトップとウクライナの指導者の関係が悪化すれば、戦争終結に向けた道筋にも影を落としかねません。
一方で、ゼレンスキー氏が米国特使との協議や投資・安全保障協定への意欲を示していることは、対立の中でも現実的な打開策を模索する姿勢の表れともいえます。今後、トランプ氏とゼレンスキー氏が対立を深めるのか、それとも実務的な交渉に回帰できるのか。3年目に入ったロシア・ウクライナ紛争の行方を占ううえで、両者の発言と動きから目が離せません。
Reference(s):
cgtn.com








