スターマー英首相「ウクライナ支援は欧州が主役、米国の後押し不可欠」 video poster
ウクライナ支援「欧州が重責」、スターマー英首相が強調
2025年12月7日にロンドンで開かれた欧州首脳会議の後、イギリスのキア・スターマー首相は、ウクライナ支援をめぐり「欧州が重い荷を担うべきだが、米国の強力な支援が不可欠だ」と述べました。3年以上続くロシアとの戦闘が長期化する中、ヨーロッパとアメリカの役割分担が改めて問われています。
欧州が「ヘビーリフティング」を担うべきだというメッセージ
スターマー首相は、ウクライナとロシアの武力衝突への対応について、主な責任はヨーロッパの国々が負うべきだとの考えを示しました。欧州が安全保障面でも財政面でも、いわゆるヘビーリフティング(重い荷物を持ち上げる役割)を担うべきだというメッセージです。
一方で首相は、欧州だけでは大陸の平和を守ることは難しいとも認め、「この取り組みを成功させるには、アメリカ合衆国による強力な支援が必要だ」として、米国の関与継続を強く求めました。
平和を保証する四つの段階的計画
スターマー首相は今回の会議で、ウクライナに平和を保証することを目指した四つの段階的な計画を打ち出しました。これはロンドンでの欧州首脳との会合を受けて発表されたもので、戦闘の終結と長期的な安定を視野に入れた枠組みと位置づけられています。
イギリス、フランスなどの欧州主要国は、この計画の下でウクライナと協力し、3年以上続く戦闘の終わりを模索していくことで合意しました。欧州自らが和平プロセスを主導しようとする姿勢が色濃く出た形です。
20億ドルの防空ミサイル支援枠
具体的な支援策として、イギリス政府はウクライナ向けの新たな資金枠も発表しました。ウクライナは英国輸出金融の仕組みを利用して、20億ドル規模の枠を活用し、5000発を超える防空ミサイルを購入できるようになるとされています。
防空ミサイルの追加供給は、ウクライナの防衛力を高めるだけでなく、ヨーロッパの安全保障にとっても重要な一歩といえます。欧州が主体的に支援を拡大する一方で、その取り組みを米国がどのように後押ししていくかが、今後の焦点となりそうです。
トランプ大統領との激しい対立から一転、ロンドンでの温かい歓迎
今回の欧州首脳会議は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とアメリカのドナルド・トランプ大統領の間で「異例の激しい対立」が起きてから、わずか2日余りしかたっていないタイミングで開かれました。
それだけに、ロンドンでの雰囲気は対照的でした。イギリスの首都では、ゼレンスキー大統領はより温かい歓迎を受けたとされています。首脳会議の後には、サンドリンガムにある国王チャールズ三世の所有地を訪れ、国王と面会しました。
欧州と米国の役割分担が問うもの
3年以上にわたって続くウクライナの戦闘は、ヨーロッパの安全保障の在り方そのものを揺さぶっています。今回のスターマー首相の発言は、欧州が自らの大陸の平和を守る責任を前面に出しつつ、米国なしにはその使命を完全には果たせないという現実も示しました。
今回の動きから見えてくる主なポイントは次の通りです。
- ウクライナ支援の主役は欧州だが、米国の強力な後押しが不可欠だというメッセージ
- 20億ドルの資金枠と5000発超の防空ミサイル供給など、支援の具体化が進んでいること
- トランプ大統領との対立直後でも、ウクライナが欧州の場で政治的な支えを得ていること
欧州と米国の関係は、軍事力や経済力だけでなく、民主主義や法の支配といった価値観をどう守るかという課題とも直結しています。ウクライナをめぐる協力の行方は、日本を含む国際社会にとっても、今後の安全保障と外交を考えるうえで重要な示唆を与えるテーマになりそうです。
Reference(s):
Ukraine: Europe must do heavy lifting, but with U.S. support – Starmer
cgtn.com








