米国観光に影響広がる関税とイメージ悪化 ベニスビーチ現地の声 video poster
米国観光がいま、関税と国際イメージの変化によって揺れています。トランプ政権による広範な関税措置と、多くの国に対するネガティブな感情が重なり、米国を訪れる海外旅行者の数に目に見える「ブレーキ」がかかっていると伝えられています。こうした動きは、観光業だけでなく、そこに依存する多くのビジネスや地域経済にも波及しかねません。
関税はなぜ観光にも影響するのか
今回問題になっているのは、トランプ政権が導入した広範な関税です。本来は貿易をめぐる政策ですが、その余波が「観光」という別の分野にも及んでいると指摘されています。
関税によって輸入品の価格が上がると、海外から見た米国のイメージや、ビジネス環境への評価にも影響が出ます。そこに、多くの国に対するネガティブな感情が重なることで、「今わざわざ米国に旅行に行くべきか」と迷う人が増えているとみられます。
海外から米国を訪れようとする旅行者が感じるハードルには、例えば次のようなものがあります。
- ニュースで目にする対立的な言葉や姿勢から、「歓迎されていないのでは」という不安が生まれる
- 関税や報復措置などを背景に、将来のビザや入国手続きへの不透明感が増す
- 旅行先の選択肢が増えるなかで、「政治的な緊張が少ない国」を優先しやすくなる
専門家が警戒する「追加コスト」の連鎖
専門家は、こうした関税やイメージ悪化によって生じる「追加コスト」が、観光産業全体に大きな経済的打撃を与えかねないと懸念しています。ここでいう追加コストとは、単に料金が上がるという意味にとどまりません。
旅行者が減れば、航空会社や旅行会社だけでなく、観光地で営業する小さな店舗やサービス業にいたるまで、売り上げの減少という形で負担がのしかかります。
影響を受けやすい分野として、次のような業種が挙げられます。
- ホテルや民泊などの宿泊業
- レストランやカフェなどの飲食業
- お土産店やショッピングモールなどの小売業
- タクシー、配車サービス、観光バスなどの交通関連
- アクティビティやツアー、文化イベントなどの観光サービス
海外客が減ると、これらの業種では雇用調整が必要になったり、新規投資を控えたりする動きが出ます。その結果、地域の雇用や所得にも影響が広がり、観光に依存する街ほど打撃が大きくなりやすいと考えられます。
ベニスビーチが映す現場の不安
カリフォルニアの人気観光地ベニスビーチからは、そうした変化の一端が伝えられています。CGTNのエディズ・ティヤンサン記者は、現地の人々の声を取材し、国際観光の減速が日々のビジネスにどう影響しているかを報告しました。
観光客の足が遠のけば、海岸沿いの店舗やレンタル業者、ストリートパフォーマーなど、地域の魅力を支える多くのプレーヤーが直接的な打撃を受けます。現場からは、海外からの旅行者が減ったことで、売り上げや雇用への不安が高まっているという声が上がっているとされています。
名の知れた観光地でさえこの状況です。知名度の低い地域や、中小都市にとっては、より厳しい環境になりかねません。
観光と国際イメージ 私たちへの問いかけ
観光は、本来は政治から少し距離を置いた「楽しみ」の領域だと思われがちです。しかし、今回の米国観光をめぐる動きは、貿易政策や外交姿勢といったマクロな要因が、人々の日常的な旅行の選択にまで影響しうることを示しています。
2025年の今も、貿易や外交をめぐる議論は世界各地で続いています。各国がどのようなメッセージを発し、どのようなイメージを形づくるのかは、観光客の「行ってみたい」と思う気持ちにも直結します。
海外旅行を計画するとき、私たちは無意識のうちに、ニュースで見るその国の雰囲気や、他国との関係を手がかりにしています。米国観光への影響をめぐる今回の報道は、「国同士の関係」と「人の移動」の結びつきについて、あらためて考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








