イラン「米国の制裁姿勢に変化なし」 核合意交渉はなお難航
イランと米国が数十年にわたる核問題をめぐる対立の解消を目指して交渉を続ける中、対イラン制裁の扱いをめぐってイラン側が「米国の姿勢に変化は見られない」と警戒感を示しています。
イラン「制裁解除の道筋が見えない」
国際ニュースとして注目されるイラン核協議をめぐり、イラン外務省は月曜日の定例記者会見で、米国による制裁解除の方針が依然として不透明だと強調しました。
エスマイル・バーガイー外務省報道官はテヘランでの会見で「遺憾ながら、米国側はこの問題を明確にする用意がまだない」と述べ、制裁に関する米国の立場に具体的な変化が見られないとの認識を示しました。
そのうえでバーガイー氏は「過去の経験を繰り返さないためにも、イラン国民に対する『抑圧的な制裁』をどのように解除するのかを、我々にははっきりさせる必要がある」と述べ、制裁解除の仕組みを文書や行動で示すよう米国に求めました。
交渉の核心は「制裁」と「ウラン濃縮」
イランと米国は現在、イランの核開発をめぐる数十年にわたる対立を解消するための核合意の実現を目指していますが、合意への道筋はまだ明確ではありません。とくに次の二つが大きな争点となっています。
- 米国が科してきた対イラン制裁を、どの範囲で・どのタイミングで解除するのか
- イランのウラン濃縮活動をどの水準まで認めるのか
バーガイー氏の発言からは、イラン側が制裁解除の具体像が見えない限り、核問題をめぐる合意には応じにくいというメッセージを発していることがうかがえます。
オマーンが仲介、米国案をテヘランに提示
今回のイラン核協議では、湾岸地域の国であるオマーンが仲介役を担っています。サイイド・バドル・アルブサイディ外相は、イランとトランプ政権の間を取り持ち、双方の立場のすり合わせを試みています。
アルブサイディ外相は土曜日に短時間テヘランを訪れ、イランと米国の間で検討されている核合意案の要素をイラン側に提示しました。イランにとっては、制裁解除をめぐる米国提案の中身を直接確認する機会となりましたが、バーガイー氏の発言からは、依然として不信感が拭えていない様子も見て取れます。
ローマで第5ラウンド、なお残る深い溝
イランと米国の代表団は先月、イタリアのローマで第5ラウンドとなる協議を終えました。協議では一部で限定的な進展があったものの、ウラン濃縮の扱いをはじめ、多くの争点について依然として溝が深いことが浮き彫りになりました。
とくにウラン濃縮問題は、これまでの協議でも繰り返し議論されてきた核心的なテーマであり、今回の第5ラウンドを終えても、双方の立場の隔たりが大きいことがあらためて確認された形です。
イランの狙い:過去の「経験」を踏まえた警戒感
「過去の経験を繰り返さない」というバーガイー氏の言葉は、これまでの核協議や関連合意で、イラン側が期待どおりの結果が得られなかったとの問題意識をにじませています。制裁解除をめぐる過去の経緯が、イラン側の強い警戒感として表れている可能性があります。
イラン側の発言を整理すると、次のような姿勢が見えてきます。
- 制裁解除は、今回の核合意にとって周辺ではなく中心的な争点である
- 抽象的な約束ではなく、具体的で確認可能な制裁解除の道筋が必要だと考えている
- 過去の交渉で生じた不信感を払拭しない限り、新たな合意も国内で支持を得にくい
今後の焦点:制裁と核活動の「交換条件」をすり合わせられるか
今後の国際ニュースの焦点は、イランと米国が制裁解除と核活動の制限という交換条件のバランスをどこまで詰められるかにあります。
両国が歩み寄れば、長年続いてきた核問題をめぐる緊張が一定程度和らぐ可能性があります。一方で、制裁解除やウラン濃縮をめぐる溝が埋まらない場合、協議は長期化し、緊張状態が続くことも考えられます。
今回のバーガイー氏の発言は、交渉がまだ山場を迎える前の段階にあり、イラン側が自らの優先課題をあらためて明確にしたものだといえます。今後、オマーンをはじめとする仲介役の働きかけと米国側の対応が、次のラウンドの行方を左右しそうです。
Reference(s):
cgtn.com








