UNOC3で中国の韓正副主席が持続可能な海洋ガバナンス4提案
中国の韓正副主席、UNOC3で持続可能な海洋ガバナンス4提案
現地時間2025年12月8日(月)、フランス・ニースで開催中の第3回国連海洋会議(UNOC3)の一般討論で、中国の韓正国家副主席が演説し、持続可能な海洋ガバナンスに向けた4つの提案を示しました。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)、とくに海の保全と持続可能な利用を掲げる「SDG14」の達成に向け、各国がどのように協力していくのかが改めて問われています。
SDG14達成は「すべての当事者の責任」
韓副主席は、海洋ガバナンスに関する国際ニュースとして注目されるこの演説で、SDGs全体、とりわけSDG14の達成は「すべての当事者が担うべき責任」だと強調しました。SDG14は、海洋や海、海洋資源を保全し、持続可能な形で利用することを目指す目標です。
韓副主席は、海洋の持続可能な発展を進めることが、地球全体の持続可能な発展に直結するとしたうえで、各国が責任を分かち合いながら行動するよう呼びかけました。
「青い惑星は海でつながっている」習近平氏のビジョンを引用
演説のなかで韓副主席は、習近平国家主席の言葉を引用しました。習主席は、人類が暮らす青い惑星は「海によって島々に分断されているのではなく、海によってつながり、『共通の未来を分かち合う共同体』を形づくっている」と指摘してきたと紹介しました。
韓副主席は、国連創設80周年を一つの節目ととらえ、資源の保全と持続可能な利用を両立させるための協調を進め、海洋の持続可能な発展と「共通の未来を分かち合う共同体」の構築を同時に進めるべきだと呼びかけました。
4つの提案のポイント
韓副主席が示したのは、海洋ガバナンスをめぐる4つの方向性です。内容は次のように整理できます。
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海を平和で安全な空間にする
まず、海を平和で安全な空間とし、SDG14達成の土台を固める必要性を訴えました。そのうえで、
- 「真の多国間主義」を実践すること
- 海洋に関する国際ルールを順守すること
- 海洋を「人類共通の遺産」として守ること
- 国際社会全体の利益をしっかりと守ること
を各国に呼びかけ、ルールと協調に基づく海洋秩序の重要性を強調しました。
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海を「共に豊かさを分かち合う」場にする
次に、海をすべての国にとって利益と繁栄をもたらす場とし、SDG14達成の強い原動力とするよう提案しました。そのために、
- 海上輸送や港湾などの「海上のつながり(マリタイム・コネクティビティ)」を高めること
- 互いにパートナーシップを築き、実務的な協力を広げること
を挙げています。韓副主席は、中国が二国間・多国間の協力プログラムを通じて、小島しょ開発途上国を含む開発途上国のSDGs実施を支援していくと述べました。
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文明が出会い、ともに栄える「共有の海」にする
3つ目の提案は、海をさまざまな文明が出会い、交流し、ともに発展する共有空間にするというものです。韓副主席は、
- 多様な海洋文明を尊重すること
- より多くの海洋対話プラットフォーム(対話の場)を設けること
- 公正で正義が貫かれ、開かれ、包摂的な海洋秩序を育むこと
の重要性を指摘しました。海をめぐる対話と交流を広げることで、対立ではなく協力を促す狙いがうかがえます。
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海を「きれいで美しい」状態に保つ
4つ目として、海を清潔で美しい状態に保ち、SDG14達成を力強く支えるべきだと述べました。韓副主席は、中国がグローバル発展・南南協力基金を通じて、関係する国際機関とともに海洋ガバナンスとグリーン発展を推進していくと表明しました。
また、国家管轄権を超える海域の海洋生物多様性に関する「BBNJ協定(Marine Biological Diversity of Areas beyond National Jurisdiction)」について、早期発効と早期の本格的な機能発揮を支持すると述べ、国際的なルールづくりにも積極的に関与する姿勢を示しました。
途上国の能力構築支援も表明
韓副主席はさらに、開発途上国の「能力構築」を強化する必要性にも触れました。中国が、海洋の持続可能な発展に関する研修の機会を提供し、開発途上国の人材育成や制度整備を後押ししていく考えを示しました。
こうした取り組みは、海洋ガバナンスに関する知識や技術へのアクセス格差を縮小し、より多くの国がSDG14に主体的に取り組めるようにすることを狙ったものだと受け止められます。
なぜこのメッセージが注目されるのか
今回の演説は、国際ニュースとして次のような点で注目できます。
- 国連創設80周年のタイミングで、海洋ガバナンスとSDGsの関係を前面に押し出したこと
- 平和・発展・文明交流・環境保全という4つの切り口で、海洋問題を総合的に位置づけたこと
- 小島しょ開発途上国を含む開発途上国の支援や、BBNJ協定など国際ルールへのコミットを明確にしたこと
海は、資源、輸送路、環境、文化交流の場として多層的な意味を持ちます。韓副主席の4つの提案は、それぞれの側面を切り分けつつ、全体として「海を通じて共通の未来を築く」というビジョンに収れんさせようとする試みだと言えます。
デジタルネイティブ世代の読者にとっても、海洋ガバナンスは気候変動や資源問題と並んで、これから長く向き合うテーマの一つです。今回のUNOC3での議論や各国の提案が、今後どのような国際ルールや協力枠組みにつながっていくのか、引き続きフォローしていく必要があるでしょう。
Reference(s):
Chinese VP lays out proposals on sustainable ocean governance at UNOC3
cgtn.com








