ハリウッドで車が群衆に突入、30人負傷 運転の男を拘束 video poster
米ロサンゼルスのハリウッド地区で土曜未明、ナイトクラブ前の人だかりに乗用車が突っ込み、少なくとも30人がけがをしました。ロサンゼルス市警は運転していたとされる男を拘束し、殺人未遂や致死性のある武器による暴行の疑いで捜査を進めています。
何が起きたのか
事件が起きたのは、ロサンゼルス・イーストハリウッドのクラブ「ザ・ヴァーモント・ハリウッド」付近です。現地時間の午前2時ごろ、乗用車がクラブ前の歩道に突入し、並んでいた人々のほか、タコスの屋台やバレーサービスの受付台などを次々となぎ倒しました。
ロサンゼルス消防局のバン・ガーペン隊長は、現地メディアに対し、クラブ客の多くが入場待ちの列に並んだり、屋台で食事を買ったりしていたタイミングで車が突っ込んだと説明しています。
運転の男は病院で手術中も「身柄拘束」
ロサンゼルス市警のリリアン・カランサ氏によると、車を運転していたとされる男は病院に搬送され、手術を受けており、容体は安定しているということです。ただし市警の身柄拘束下にあり、自由に病院を離れることはできないとしています。
現場では、車が突入した直後、周囲にいた人々が車から男を引きずり出し、暴行を加えました。警察が到着した際、男は群衆から殴られている最中で、銃で撃たれた傷も負っていることが確認されました。
警察は、男を撃って負傷させた発砲者が徒歩で逃走したとみて行方を追っています。
被害の規模と負傷者の状況
消防当局によると、この車突入により30人が負傷しました。内訳は女性18人、男性12人で、年齢はおおむね20代半ばから30代前半とされています。現場には100人を超える消防隊員が出動しました。
- 負傷者30人
- 重体:7人
- 重傷:6人
- 軽傷:10人
- 医師の助言に反して退院した人:7人
現場近くは、サンセット・ブルバードやウォーク・オブ・フェームなど、有名観光地にも近いエリアです。週末の夜ということもあり、多くの人でにぎわっていたとみられます。
SNSに広がった「混乱の瞬間」
事件直後の様子を撮影した映像が、SNS上で拡散しています。そこには、クラブの外で悲鳴を上げながら走り出す人々、血で染まった歩道に倒れ込む被害者、そのそばで泣き崩れる人たちの姿などが映っていました。
別の映像には、群衆が車の運転手とされる男を車外へ引きずり出し、手錠をかけたうえで激しく殴る場面も記録されています。車は日産「ヴァーサ」と報じられており、フロントバンパーが大きく破損していたということです。
市当局とクラブの反応
ロサンゼルスのカレン・バス市長は、この事件を「胸が張り裂けるような悲劇」と表現し、「今朝被害を受けたすべての人たちと心を共にしている。何が起きたのかについて、徹底した捜査が進められている」との声明を出しました。
イベントが開かれていたクラブ「ザ・ヴァーモント・ハリウッド」も、SNS上で「今回の悲劇的な出来事に深い悲しみを抱いている」とコメントしています。夜が明けると現場にはレッカー車が入り、バンパーが剥がれた車が運び出され、クラブの従業員が歩道の洗浄作業を行いました。
捜査の焦点はどこにあるのか
警察は、運転していた男に対して殺人未遂や致死性のある武器による暴行の容疑を視野に捜査しています。現時点で、報道では男の詳しい背景や、なぜ車が群衆に突っ込んだのかという動機には触れられていません。
今後の捜査では、次のような点が焦点になりそうです。
- 車の突入行為が故意だったのか、何らかの事情によるものだったのか
- 運転していた男の素性や当時の精神状態、周辺状況
- 運転手を撃った発砲者が誰なのか、その狙いや経緯
- 現場にいた人々による暴行について、どこまでが正当防衛や緊急避難と評価されるのか
都市のナイトライフと「安全」の問い
今回の事件は、ナイトクラブやコンサート、飲食店が集まる都市のナイトライフ空間の安全をどう守るかという課題を改めて突きつけています。週末の夜、友人や恋人と出かけるような、ごく日常的な場が一瞬で惨事に変わりうることが可視化された形です。
同時に、事件直後に群衆が運転手に暴行を加えたことや、その様子が即座にSNSで共有されたことは、「危機の瞬間に、人はどう振る舞うべきか」という難しい問いも含んでいます。怒りや恐怖のなかでの行動と、法の支配や手続きの重要性をどう両立させるのかは、多くの社会で共通するテーマです。
私たちにとっての意味
日本から見ると、ハリウッドは映画とエンターテインメントの象徴として、どこか非日常の場所に感じられがちです。しかし今回のような事件は、「観光地」でも「遊び場」でも、私たちの日常と地続きの現実があることを思い出させます。
海外旅行や留学、出張でアメリカを訪れる日本の人も少なくありません。事件の全容は今後の捜査を待つ必要がありますが、混雑した場所での行動や、異常を感じたときにどう安全を確保するかを考えるきっかけにもなりそうです。
現在、ロサンゼルス市警と消防当局が詳しい状況の確認と原因究明を進めています。被害者の回復と、事実関係の早期解明が待たれます。
Reference(s):
Man in custody after car plows into Hollywood crowd, injuring 30
cgtn.com








