2025年は「国際協同組合年」 協同組合が担う新しい役割とは video poster
国連は2025年を「国際協同組合年」と定め、協同組合が地球規模の課題に向き合い、持続可能な開発に貢献する存在として改めて注目を集めています。年の瀬が近づく今、この一年の意味を振り返りつつ、協同組合の役割と課題を整理します。
2025年「国際協同組合年」とは
2025年は、国際連合(国連)が掲げる「International Year of Cooperatives(国際協同組合年)」です。これは、協同組合(cooperative)が世界的な課題への対応に果たしている役割を強調し、その貢献を公式に認める一年とされています。
協同組合は、利益の最大化だけでなく、地域社会やメンバーの暮らしの安定を重視する形態の組織です。国連がこの一年を特別に位置づけた背景には、こうした協同組合のあり方が、持続可能な開発や包摂的な経済に不可欠だという認識があります。
なぜ今、協同組合なのか
気候変動、貧困や格差、エネルギーや食料の不安定さなど、世界は複合的な危機に直面しています。その中で、協同組合は次のような点で期待されています。
- 一人ひとりの出資と参加を通じて、地域に根ざした解決策を生み出せる
- 短期的な利益よりも、長期的な安定やコミュニティの維持を重視しやすい
- メンバーの合意を基礎に運営されるため、意思決定の透明性を確保しやすい
こうした特徴は、国連が掲げる持続可能な開発の考え方と相性が良く、「国際協同組合年」はその点への理解を広げる機会にもなっています。
国連が示すゴールと協同組合の目標
国連が2025年を国際協同組合年とすることで打ち出しているメッセージは、大きく言えば「協同組合を通じて世界の課題解決を加速させる」というものです。そこから導かれる目標は、次のような方向性に整理できます。
- 協同組合の存在と価値を、一般の市民や政策担当者に広く知ってもらう
- 持続可能な開発に貢献している協同組合の事例を共有し、学び合う
- 協同組合の活動を支えやすい制度・規則・資金環境について議論を深める
国際ニュースとして見れば、これは「公的セクターと民間企業だけに頼らない、第三の選択肢」として協同組合をどう活かしていくか、という問いかけでもあります。
CGTNが伝える「目標」と「課題」
国際的なニュースメディアであるCGTNのKarina Mitchell記者も、この国際協同組合年をめぐって、協同組合のゴールや直面する課題を取り上げています。
協同組合の議論でしばしば焦点となる目標には、次のようなものがあります。
- 地域の雇用や生活を守りながら、環境にも配慮したビジネスモデルを広げること
- 金融やエネルギー、農業など、生活の基盤となる分野で、住民主体の選択肢を確保すること
- 若い世代の参加を促し、次世代につながる組織運営を実現すること
一方で、協同組合が乗り越えるべき課題として語られるのは、例えば次のようなポイントです。
- 資金調達や規模拡大が難しく、民間企業との競争で不利になりやすい
- 組合員の合意を重んじるがゆえに、意思決定に時間がかかる
- デジタル化や新しい働き方への対応など、変化のスピードに追いつく必要がある
国際協同組合年は、こうした目標と課題を可視化し、各地の協同組合同士が連携を深めるためのきっかけにもなっています。
私たちの生活と協同組合のつながり
協同組合という言葉にあまりなじみがないとしても、日常生活のどこかでそのサービスを利用している人は少なくありません。
- 食料品や生活必需品を共同で購入・供給する生活協同組合
- 地域の中小事業者や住民を支える信用組合や協同組合金融
- 農業や漁業など、生産者が連携して販路や価格交渉力を高めるための協同組織
特徴的なのは、「誰かが一方的に提供するサービス」ではなく、「参加する人自身が出資し、運営に関わる」という構造です。国際協同組合年は、その仕組みを改めて見直し、自分たちの生活をどう支えるかを考える機会とも言えます。
2025年の終盤に考えたい3つの問い
2025年12月、国際協同組合年も終盤に差し掛かっています。このタイミングだからこそ、次のような問いを自分なりに考えてみることが、これからの一年につながっていきます。
- 自分の暮らしの中に、どんな協同組合的なサービスや仕組みがあるだろうか
- 働き方やお金の預け方を、協同組合という選択肢から見直してみると何が変わるか
- 地域や世界の課題に、自分たちの共同の力で関わるために、どんな組織や取り組みが必要か
国際ニュースとしての国連の動きは、一見すると遠い世界の話に感じられます。しかし、協同組合というテーマは、私たちの買い物、働き方、そして地域社会のあり方に直結しています。2025年「国際協同組合年」をきっかけに、足元の経済やコミュニティを少しだけ違う角度から眺めてみることが、次の変化への第一歩になるかもしれません。
Reference(s):
United Nations mark 2025 as “International Year of Cooperatives”
cgtn.com








