米政府閉鎖が28日目に 上院がつなぎ予算案を否決
米連邦政府の一部閉鎖が28日目に入り、上院がつなぎ予算案を否決しました。長期化すれば、医療保険料の負担増や食料支援の打ち切りなど、市民生活への影響が一段と強まることが懸念されています。
今回の米政府閉鎖は何が起きているのか
アメリカでは、連邦政府の予算が期限までに成立しないと、政府機関の一部が業務を停止する「政府閉鎖」が起きます。今回のケースでは、政府閉鎖が始まってから28日目の火曜日、上院が政府を一時的に再開させるためのつなぎ予算案を再び否決しました。
このつなぎ予算案は、連邦政府を当面の間だけ資金面で支えるストップギャップ法案と呼ばれるものです。採決はすでに13回目で、最終的な投票は賛成54票、反対45票と、可決に必要な60票に届きませんでした。
下院は賛成、それでも動けない上院
否決された法案は、連邦政府を再開させることを掲げた共和党の提案です。連邦議会の下院はすでにこの法案を可決していますが、成立には上院の賛成が必要です。上院で賛成票が伸びないかぎり、政府閉鎖は続くことになります。
シューマー院内総務が警告する「11月の崖」
上院民主党のチャック・シューマー院内総務は、政府閉鎖がこのまま続けば「11月まで長期化する可能性がある」と警告しています。問題は、そのタイミングで多くの人の医療費負担が一気に重くなる点です。
アメリカでは、医療保険制度改革法(いわゆるオバマケア)に基づき、保険料を抑えるための税額控除が設けられています。シューマー氏によると、その税額控除が期限切れを迎えることで、何百万人もの人が11月以降、医療保険料の値上がりに直面するおそれがあります。政府閉鎖が続いたままこの「崖」を迎えれば、家計へのダメージはさらに深刻になりかねません。
連邦職員と食料支援に広がる影響
すでに、政府閉鎖の影響は広がっています。数十万人規模の連邦職員が自宅待機(休職扱い)となり、職場に残っている職員も多くが無給のまま働いています。
さらに、低所得層などを支える連邦の食料支援プログラムも、数日以内に資金が枯渇し、給付が止まる見通しとされています。日々の食費をこの支援に頼る家庭にとって、政府閉鎖は生活の安全網そのものが揺らぐ事態につながります。
影響を受ける主な人々を整理すると、次のようになります。
- 無給または自宅待機となっている連邦政府職員
- 医療保険料を税額控除で抑えてきた人々
- 連邦の食料支援に依存する低所得世帯
- 閉鎖中の官庁サービスに頼る企業や地域社会
政治の行き詰まりと市民生活
今回の政府閉鎖の背景には、予算の優先順位や政策をめぐる与野党の対立がありますが、その結果として直接打撃を受けるのは、連邦職員や生活者です。
つなぎ予算案は、本来であれば対立が激しい本予算とは別に、最低限の政府機能を維持するための妥協策です。それすら繰り返し否決されている現状は、ワシントンの政治の行き詰まりを象徴しているといえます。
日本や世界への波紋は
アメリカの政府閉鎖は、一見すると国内問題に見えますが、世界経済や金融市場にとっても無視できません。投資家心理が冷え込めば、株価の変動や為替相場の乱高下を招き、日本の企業や個人投資家にも影響がおよぶ可能性があります。
政府閉鎖が長期化すればするほど、医療保険や食料支援といった生活の基盤にしわ寄せが行きます。政治の対立をどこで止めるのか――その判断が、数百万人の暮らしを左右しようとしています。
Reference(s):
cgtn.com








