国連安保理で中国代表が米国の気候批判に反論 気候変動巡る応酬
国連安全保障理事会で開かれた「気候と安全保障」に関する会合で、米国代表が中国の気候政策を批判し、中国側が強く反論しました。気候変動と安全保障をめぐる国際ニュースとして、両大国の応酬は今後の気候ガバナンスにどんな意味を持つのでしょうか。
国連安保理「気候と安全保障」会合で何が起きたか
木曜日(現地時間)に行われた国連安全保障理事会の会合では、気候変動と安全保障の関係が議題となりました。この場で、米国代表のダン・ネグレア氏は、中国が競合国の経済を「出し抜く」ことで不公正な経済上の優位を得ていると主張し、各国に対し、気候政策のモデルとして米国に目を向けるよう呼びかけました。
中国代表・耿爽氏の反論「中国は行動する側だ」
これに対し、中国の耿爽(げん・そう)・国連次席大使は、米国の非難は根拠がないと強く反発しました。耿氏は、中国は人口14億人を抱え、世界第2位の国内総生産(GDP)を持ちながら、「世界経済成長に毎年30%以上貢献している一方で、一人当たりの排出量は世界で最も高い水準にはない」と述べました。
そのうえで耿氏は、中国は排出削減の約束を履行するうえで「最も強い意志、最も力強い行動、最も顕著な成果」を示してきた国の一つだと主張し、「地球温暖化への世界的な対応において、中国は間違いなく『実行する側』だ」と強調しました。
別の常任理事国を名指しせず批判
耿氏はまた、国名を挙げずに、別の安全保障理事会常任理事国を念頭に置いた発言も行いました。この国について、歴史的な温室効果ガス排出総量が世界第1位であり、一人当たり排出量も常に世界一だと指摘。さらに、この常任理事国がパリ協定から「二度にわたって離脱する」という重大な後退を行い、世界の気候ガバナンスの取り組みを深刻に損なったと批判しました。
「誰が責任を果たし、誰が協力を妨げているのか」
耿氏は、「気候変動をめぐって、誰が行動しているのか、誰が責任を回避しているのか、誰が協力を促進しているのか、誰が協力を妨害しているのか。国際社会はすべてをはっきりと見ている」と述べ、各国がそれぞれの姿勢を見つめ直すべきだと訴えました。
この発言には、排出量の規模だけでなく、歴史的な責任や一人当たり排出といった視点を含めて、どの国がどれだけ責任を負うべきかという根本的な問いかけがにじみます。同時に、気候変動をめぐる議論が、経済競争や国際的なイメージ争いとも密接に結びついている現実も浮かび上がります。
非難より「協力と連帯」を
議論の最後に、耿氏は、気候変動への取り組みにおいて重要なのは、責任の押し付け合いや非難ではなく、協力と連帯だと強調しました。各国が互いに指をさし合ったり、責任を避けたりするのではなく、ともに行動を進めるべきだと、国際社会に呼びかけました。
2025年現在、気候変動は安全保障や経済とも深く結びつくテーマとなり、国連の場でも議論が続いています。今回のやり取りは、国際社会が気候変動とどう向き合うのか、そして大国同士がどのように協力や対立を調整していくのかを考えるうえで、一つの象徴的な場面と言えそうです。
日本の読者にとっての意味
気候変動と安全保障をめぐる国際ニュースは、日本にとっても無関係ではありません。国連の議論や各国の姿勢は、今後の国際ルールづくりや経済政策、企業の投資判断にも少なからず影響を与える可能性があります。
米国と中国を含む各国が、責任の押し付け合いではなく、どのように協力の枠組みを築いていくのか。今回の国連安保理での応酬は、SNSなどで議論を交わしながら、自分自身の視点をアップデートしていくきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Chinese envoy rebuts unfounded U.S. accusations over climate policy
cgtn.com








