中国とEUは多極化世界の二つの柱 駐EU中国大使が協力強化を呼びかけ
中国と欧州連合(EU)は、多極化する世界の安定を支える「二つの柱」――駐EU中国大使の蔡潤(Cai Run)氏は、ブリュッセルで開かれた第13回中国・ヨーロッパフォーラムでこう強調し、中国EU関係の安定的な発展を呼びかけました。
第13回中国・ヨーロッパフォーラムで示されたメッセージ
フォーラムで蔡大使は、中国とEUは多極化した国際秩序を築く上での「二つの主要な力」であり、グローバル化を支える大きな市場、そして多様性を重んじる偉大な文明同士だと位置づけました。そのうえで、双方が健全で安定した中国EU関係の発展を維持すべきだと訴えました。
多極化する世界での中国EU関係
大使が言及した多極化とは、特定の一国だけでなく、複数の「極」が国際社会を支えるイメージです。蔡大使は、中国とEUがその重要な極として、国際社会の安定やグローバル化の推進、多様な価値観の共存に貢献できると強調しました。
2025年は節目の年 中国EU外交樹立50周年
蔡大使は、2025年が中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年であり、国連創設80周年でもあると指摘しました。今年はさらに、中国とEUの外交関係樹立50周年という節目にもあたります。こうした歴史的な節目の年にあたって、中国とEUは首脳間で達成された重要なコンセンサスを指針として、関係を正しい方向に保つべきだと呼びかけました。
違いと摩擦を管理しつつ協力を拡大
蔡大使は、今年を通じて中国とEUの間でハイレベルの往来が続いているとしたうえで、今後の主な課題は、首脳間のコンセンサスと会談の成果を着実に実行に移すことだと述べました。そのためには、チャンスを逃さず、相違点や摩擦を適切に処理し、関係の健全で安定した発展を促す必要があるとしています。
大使が挙げたポイントは次の通りです。
- 首脳間で合意された内容や成果をスピード感を持って実行すること
- 立場の違いや摩擦をエスカレートさせず、対話を通じて管理すること
- 経済・貿易面の違いを適切に処理しつつ、協力の余地を広げること
特に経済や貿易をめぐる違いについては、対立ではなく協力拡大のきっかけと捉え、適切に管理することで多国間主義を守り、より公正で公平な国際秩序の構築につなげるべきだと強調しました。
台湾問題など 核心的利益への配慮を要請
蔡大使は、台湾問題が中国の主権と領土の一体性に関わり、中国の核心的利益の中心に位置するものであり、「越えてはならないレッドライン」だと述べました。
中国はEUに対し、一つの中国の原則を順守し、台湾や新疆、シーザン(Xizang)、香港、人権などに関する問題で、中国の核心的利益と重大な関心を尊重し、適切な立場を維持するよう求めています。
日本から見る中国EU関係 なぜ注目すべきか
中国とEUは、それぞれが大きな市場と影響力を持つ国際社会の重要なアクターです。両者の関係が安定し、協力が進むかどうかは、世界の経済や外交の流れに波及し、日本を含むアジアの国々にも間接的な影響を与えます。
多極化や多様性をキーワードに、中国と欧州がどのように違いを管理しながら協力の幅を広げていくのか。歴史的な節目を迎えた2025年の議論は、今後の国際秩序の行方を考えるうえでも注目されます。
Reference(s):
China, EU major forces for stable multipolar world: ambassador
cgtn.com








