エルサレムのUNRWA事務所にイスラエル部隊が立ち入り 国連が強く非難
エルサレムの東部にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の事務所跡地に、イスラエル治安部隊が許可なく立ち入り、国連が強く非難しています。国連施設の「不可侵」をめぐり、国際法とエルサレム情勢の緊張があらためて浮き彫りになりました。
エルサレムのUNRWA施設で何が起きたのか
パレスチナ自治政府に属するエルサレム県当局によると、月曜日、イスラエル警察部隊が東エルサレムにあるUNRWAの施設に事前の許可なく突入し、構内の捜索を行いました。
当局は、警察が施設の警備員らを拘束し、その携帯電話を押収したほか、建物の屋上にイスラエルの国旗を掲げたと伝えています。
通信回線も遮断され、敷地内で何が起きているのかを外部から把握できない状況が続いたといいます。
報道時点では、イスラエル警察やUNRWAから今回の立ち入りに関する公式なコメントは出ていません。
UN総会決議からわずか2日後の立ち入り
今回の立ち入りは、国連総会がUNRWAの任務を今後3年間延長する決議を採択してから、わずか2日後に起きました。
UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)は、中東地域のパレスチナ難民を支援する国連機関です。今回の決議は、その活動のための任務(マンデート)を今後3年間延長するものでした。
施設の法的地位と国連の強い非難
問題の施設は、1951年以来UNRWAのエルサレム事務所として使われてきました。しかし、イスラエル政府の決定を受けて今年、UNRWAは建物から撤退しています。イスラエル側は自国の議会で成立した法律に基づき、エルサレムにおけるUNRWAの活動を禁止したとされています。
それにもかかわらず、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は声明で、この建物は今もなお「国連の施設」であり、その地位は侵してはならないと強調しました。
グテーレス事務総長は、次の点を指摘しています。
- この施設は依然として国連の所有であり、国連の施設としての地位を持つこと
- 国連特権および免除に関する条約に基づき、国連施設へのあらゆる介入は禁じられていること
- 国際司法裁判所(ICJ)も、こうした原則を確認していること
そのうえで事務総長は、イスラエルに対し、UNRWA施設の不可侵性を直ちに回復し、今後国連施設を標的とするような行動を控えるよう求めました。これは、国連憲章と国際法に基づく義務を果たすよう促すものです。
エルサレム情勢と国際社会への含意
今回の事案は、エルサレムという政治的に敏感な都市で、国連機関の施設がどのように扱われるべきかという問題を突きつけています。
同時に、国連の特権・免除を定めた国際条約が、実際の現場でどこまで尊重されるのかという、より広い問いも投げかけています。
パレスチナ難民支援を担うUNRWAの活動環境や、国連とイスラエルとの関係が今後どのように変化していくのか、国際社会の視線が集まっています。
Reference(s):
Israeli forces storm UNRWA office in Jerusalem, UN issues condemnation
cgtn.com








