ウクライナのゼレンスキー大統領は今週木曜日、ロシアとの戦闘終結に向けた20項目の新たな枠組み案を米国側に提示したと明らかにしました。国際ニュースとして注目されているのは、ドネツク地域とザポロジエ原子力発電所の扱いをめぐる溝が、依然として大きく残っている点です。
提示された20項目の枠組みと安全保障
ゼレンスキー大統領によると、ウクライナが示したのは20項目からなる枠組み案で、これに加えて安全保障に関する別個の文書も和平パッケージに含まれる見通しです。
ウクライナ側は、かつて同盟国からの安全保障上の約束に十分な支えを得られなかったと感じており、今回の安全保障の約束については議会での批准を必須とする立場を取っています。
また、戦闘終結後も強力な軍を維持することを重視しており、最新の草案ではウクライナ軍の規模を80万人とする案が盛り込まれているといいます。これは、当初の枠組み案よりも大きな規模です。
最大の焦点:ドネツク地域とザポロジエ原発
交渉で最大の争点となっているのが、東部のドネツク地域とザポロジエ原子力発電所です。ゼレンスキー大統領は、米国側との協議で意見が割れているのは主にこの二つだと説明しました。
ゼレンスキー大統領によれば、米国側が描く案の一つには、ウクライナ軍がドネツク地域から撤収し、その代わりロシア軍も同地域に入らないという構想が含まれています。このエリアを、ロシア側は自由経済地帯と呼んでいるとされています。
しかし、領土の扱いはウクライナ側にとって極めて敏感な問題です。大統領は、自身にはウクライナの領土を譲る「憲法上の権限も道義的な権利もない」と繰り返し強調してきました。そのうえで、領土の行方については最終的に国民が判断すべきだとし、選挙や国民投票などを通じてウクライナの人々の意思を確認する必要があるとの考えを示しています。
ロシア側の条件:中立・非同盟・非核
一方、ロシアのラブロフ外相は同じく木曜日、ウクライナが中立・非同盟・非核の立場を取ることが、ウクライナ問題解決の出発点になり得ると述べました。中立化と軍事同盟への非参加、核兵器を持たないことをあらためて条件として掲げた形です。
この条件は、ウクライナの安全保障の枠組みと直結します。ウクライナ側は強固な安全保障の保証と強い軍事力の維持を求めており、ロシア側は中立化や非同盟化を求めるという構図で、両者の距離は依然として大きいままです。
米国との協議と「28項目案」をめぐる駆け引き
ゼレンスキー大統領は、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセット国防長官、ホワイトハウス特使スティーブ・ウィトコフ氏らと、今回の枠組みについて踏み込んだ協議を行ったと明らかにしました。
背景には、米国の後押しを受けた別の和平案、いわゆる28項目の枠組みが存在します。この初期案はモスクワに有利過ぎるとの見方があり、キーウは新たな20項目案によって、米国支持の枠組みとのバランスを取り直そうとしているとされています。
同時に、ウクライナには合意を急ぐよう求める米国からの圧力も強まっています。ゼレンスキー大統領は、米側が今年のクリスマスまでに合意の輪郭を明確にしたい意向を持っているとしつつも、厳密な期限が公式に示されたわけではないと説明しました。
トランプ氏の発言と今週末の欧州会合
トランプ氏は木曜日、停戦に向けた進展が見込めるのであれば、今週末に欧州で行われるウクライナをめぐる会合に米国代表を派遣する用意があると述べました。逆に、見通しが悲観的と判断すれば、時間を無駄にしたくないとして参加を見送る可能性にも言及しました。
この発言は、今後数日から数週間のあいだに、停戦と和平の枠組みをめぐる外交が大きく動く可能性と、場合によっては停滞するリスクの両方を示しています。
ウクライナの「最終判断者」は誰か
今回のニュースで印象的なのは、ゼレンスキー大統領が領土問題の最終的な判断者として、繰り返しウクライナの人々を指し示している点です。選挙や国民投票というプロセスを通じて、妥協の可否を問う構想は、民主的な正当性を高める一方で、交渉のスピードを鈍らせる要因にもなり得ます。
自由経済地帯構想や中立化要求など、案の中身は複雑で、どれも一足飛びに合意できるものではありません。今後、ウクライナ政府、ロシア側、米国や欧州の関係国が、それぞれの国内世論とどう折り合いをつけながら条件を詰めていくのかが、大きな焦点になりそうです。
クリスマスまで残りわずかとなるなか、ウクライナ情勢をめぐる国際ニュースは、ここからさらに緊張感を増しながら続いていきます。
Reference(s):
Ukraine presents U.S. revised framework to end conflict with Russia
cgtn.com








