2025年のアフリカの保健医療は、感染症の封じ込めに向けた節目が語られる一方で、複数の流行が重なり「危機対応」と「平時の備え」が同時に問われた一年でした。
2025年に何が起きているのか(いま重要な理由)
国連児童基金(UNICEF)の東・南部アフリカ地域の保健緊急事態専門家、エドナ・モトゥリ医師は、2025年の状況を「子どもや脆弱なコミュニティにとって、公衆衛生上の緊急事態が再来する複雑な局面」と表現しました。モトゥリ医師によれば、コレラ、mpox(エムポックス)、マールブルグなどのウイルス性出血熱、エボラなどの流行が見られたといいます。
さらに懸念として挙げられたのが、ワクチンで予防可能な感染症の増加です。定期予防接種プログラムが停滞、あるいは低下し、ポリオやはしかの流行が「増えている」と述べています。
コレラ:25年で最悪規模、被害が拡大
2025年のコレラは危機的状況となり、アフリカ疾病管理予防センター(Africa CDC)は「25年で最悪の流行」と位置づけました。2025年11月までに、確認・疑い例は約30万件、死者は7,000人超に達し、前年から30%増とされています。
数字で見る(2025年11月まで)
- 確認・疑い例:約300,000件
- 死者:7,000人超
- 前年から:30%増
どこで多かったのか
コレラの症例が多かった国として、スーダン、コンゴ民主共和国、南スーダン、ナイジェリアが挙げられています。
コレラとは(今回の文脈で押さえるポイント)
コレラは、重い下痢を引き起こし、場合によっては命に関わる感染症です。下水や飲料水が十分に処理されていない状況では、急速に広がりやすいとされています。
「緊急対応」と「長期目標」が同時進行に
2025年8月、Africa CDCと世界保健機関(WHO)は「アフリカ大陸コレラ緊急事態への備えと対応計画(Continental Cholera Emergency Preparedness and Response Plan for Africa 1.0)」を立ち上げました。アフリカ各国の首脳は、2030年までに流行を制御し、排除することを誓約したとされています。
2025年末(現在は12月)を迎える時点で、この「2030年の目標」はまだ先の話です。一方で、2025年の被害規模が示すのは、流行期の緊急対応だけでなく、定期予防接種の停滞など“平時の基盤”が揺らいだときに、感染症リスクが連鎖しうる現実です。
注目点:2026年に向けて何が焦点になるか
- コレラの被害が大きかった国・地域での流行抑制の進み具合
- 定期予防接種の停滞が、ポリオ・はしかなどの流行にどう影響するか
- 大陸レベルの計画(アフリカ1.0)が各地の対応にどう接続されるか
2025年のアフリカの「健康チェック」は、前進と危機が同じ画面に並ぶ一年でした。数字が示す重みと、現場からの警鐘をどうつなげるかが、次の一年の問いになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








