EUのビッグテック規制「DSA・DMA」に米トランプ政権が反発、査証拒否も
EU(欧州連合)のビッグテック規制が、2025年末のいま米国のトランプ政権との摩擦を強めています。米国務省は今週、元EU欧州委員(元コミッショナー)を含む5人へのビザ(査証)発給を拒否すると発表し、EUのテック規制を「米国企業や米国の発信者を狙った検閲の締め付け」だと批判しました。
いま何が起きているのか:米国務省がビザ発給拒否
米国務省は、元EU欧州委員と4人の計5人について、ビザの発給を拒否すると表明しました。理由として「外国政府による検閲の締め付けを推し進めた(advanced censorship crackdowns)」ことを挙げ、対象は「米国の話者(American speakers)と米国企業」を狙ったものだとしています。
また、トランプ大統領は「米国の巨大テック企業を抑え込もうとする国々を罰する」と公言しているとされ、今回の動きはその強硬姿勢と連動している構図です。
EUが整えた「強力な法的ツール」:DMAとDSA
EUは、テック大手を抑制するための法的枠組みを整備してきました。本文で言及されている主な柱は次の2つです。
- デジタル市場法(DMA):競争(競争政策)の観点から、巨大プラットフォームの影響力を抑える狙い
- デジタルサービス法(DSA):コンテンツ管理(モデレーション)を中心に、オンライン上の安全・適法性を確保する狙い
EUは新ルールの下で、Apple、Meta、Xなど米国の大手企業に「重い制裁金(heavy fines)」を科したともされています。こうした執行の積み重ねが、米政権側の反発を強める背景になっています。
DSA(デジタルサービス法)をかみ砕く:何を義務づける法律?
DSAは2023年から段階的に導入されてきたとされ、EUの27加盟国で提供されるオンラインサービスに対し、違法コンテンツ等への対応を強く求めます。違反した場合は多額の制裁金につながり得ます。
狙いは「安全性」と「違法の抑止」
DSAが主に想定するリスクとして、本文では以下が挙げられています。
- 偽情報(disinformation)
- ヘイトスピーチ(hate speech)
- 偽造品や危険な商品(counterfeit or dangerous goods)
プラットフォームに求められること
- 違法コンテンツの迅速な削除、またはアクセス不能化
- 違法コンテンツを繰り返し共有するユーザーの停止(suspend)
特に後者の「繰り返し投稿する利用者の停止」は、大西洋の向こう側(米国側)の批判者から「検閲(censorship)」だと捉えられている、というのが本文の説明です。
より厳しい対象:「非常に大きい」プラットフォーム
DSAでは、影響力が大きい「非常に大きい(very large)」プラットフォームに、より厳しいルールが適用されます。本文で例示されている対象には、Apple、Amazon、Facebook、Google、Instagram、Microsoft、Snapchat、Xが含まれています。
対立の焦点:EUは「保護」、米国は「検閲」と見ている
EU側の制度設計は、違法情報や危険な商品から消費者を守り、オンライン空間を安全にすることを目的にしたものとして描かれています。一方で米国務省は、今回のビザ発給拒否の説明の中で、EUの動きを「米国の発信者」と「米国企業」を狙い撃ちにした検閲の締め付けだと位置づけました。
同じルールでも、「利用者保護のための運用」と「言論を狭める介入」のどちらに見えるかで評価が割れやすい。今回の摩擦は、その境界線をめぐる政治的な緊張が、制度運用の現場へ波及していることを示唆しています。
今後の見どころ:執行の強化と“報復”の応酬になるのか
本文の範囲で言えるのは、EUがDSA・DMAという枠組みで執行を進め、米国側はそれを強い言葉で問題視している、という点です。トランプ大統領が「抑え込みに動く国を罰する」と述べているとされる以上、次の局面では、規制をめぐる外交・経済の応酬がどこまで拡大するかが焦点になりそうです。
Reference(s):
EXPLAINER The EU laws curbing big tech – and annoying Donald Trump
cgtn.com








