デンマーク首相「米国にグリーンランド併合の権利なし」 脅しの停止求める
北極圏をめぐる発言が、同盟国間の信頼にまで波及しています。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は現地時間2026年1月4日、米国に対し「グリーンランドを併合する権利はない」と明確に述べ、同盟国とグリーンランド住民への脅しをやめるよう求めました。
何が起きたのか:デンマーク首相が米国に「非常に直接的に」反論
フレデリクセン首相は声明で、「米国に対して非常に直接的に言わなければならない」としたうえで、デンマーク王国を構成するデンマーク、グリーンランド、フェロー諸島のいずれについても「米国に併合の権利はない」と強調しました。米国がグリーンランドを引き継ぐ必要があるという考えも退けています。
発言のポイント:NATOの枠組みと既存の防衛協定を強調
首相は、デンマーク王国(グリーンランドを含む)がNATO加盟であり、同盟の安全保障の対象である点を指摘しました。さらに、デンマーク王国と米国の防衛協定によって、米国はすでにグリーンランドへ広範なアクセスを得ているとも述べています。
- 「米国に併合の権利はない」
- 「同盟国とグリーンランド住民への脅しをやめるべきだ」
- 「防衛協定で米国はすでに広範なアクセスを持つ」
「売り物ではない」:同盟国への圧力に懸念
フレデリクセン首相は、米国が「歴史的に近い同盟国」に加え、「別の国と別の人々」に向けて脅しを向けるのをやめるよう求めました。グリーンランド側は「売り物ではない」と明確にしている、という認識も示しています。
欧州側の反応:ノルウェー外相が連帯を表明
ノルウェーのエスペン・バース・エイデ外相も首相発言に呼応し、欧州諸国と同様にデンマークに連帯すると述べました。デンマーク王国の内部の変更はデンマークとグリーンランドの人々が決めることであり、他者が決めることではない、という立場です。
背景:トランプ大統領が「グリーンランドが絶対に必要」と発言
フレデリクセン首相のコメントは、ドナルド・トランプ米大統領が同日、米誌「The Atlantic」の電話インタビューで米国はグリーンランドが「絶対に必要だ」と述べた後に出たものです。インタビューでは、ベネズエラへの米国の介入にも言及があったとされています。
また、入力情報によれば、トランプ氏は2025年1月の就任以来、グリーンランドへの関心を繰り返し示し、「軍事的または経済的強制」を排除しないとも述べてきました。さらに先月には、ルイジアナ州知事のジェフ・ランドリー氏を「グリーンランド担当特使」に任命すると発表し、ワシントンとデンマーク王国の間で外交的緊張が再燃したとされています。
グリーンランドの位置づけ:自治拡大と、残る権限
グリーンランドは元デンマーク植民地で、1953年にデンマーク王国の不可分の一部となりました。1979年に自治権が付与され、その後自治が拡大してきましたが、外交と防衛はデンマークが権限を保持するとされています。
今後の焦点:安全保障と「決める主体」をめぐる綱引き
今回のやり取りは、北極圏の安全保障、同盟内の信頼、そしてグリーンランドの将来を「誰が決めるのか」という原則が同時に問われる局面を映します。今後は、既存の防衛協定の運用、NATOの結束、そして当事者であるグリーンランド住民の意思が、どのように言葉と政策へ落とし込まれていくのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
Danish PM: U.S. has no right to annex Greenland, should end threats
cgtn.com








