2026年1月11日(日)、ドナルド・トランプ米大統領が「デンマーク領グリーンランドを米国が“いずれにせよ”獲得する」と改めて主張し、同盟関係や安全保障の議論に波紋が広がっています。
何があったのか:機内で「獲得」を繰り返し強調
トランプ大統領は大統領専用機エアフォースワンの機内で、グリーンランドについて「短期の取り決め」や「リース(賃借)」ではなく、「獲得(acquiring)」だと明言しました。米国が島内に軍事基地を維持するだけでは不十分だ、という認識も示したとされています。
「取引が理想だが、いずれにせよ」——強い言い回し
トランプ大統領は「(合意の)取引ができれば理想で、そちらの方が簡単だ。しかし、いずれにせよ我々はグリーンランドを手にする」と述べたとされます。表現の強さから、交渉の余地を残しつつも結論を先に置く形になりました。
NATOへの影響を問われ「彼らは我々を必要としている」
米国の要求がNATOや欧州の同盟国との関係に影響するかを問われると、トランプ大統領は「NATOに影響するなら影響する。しかし、彼らは我々を必要としている。こちらが彼らを必要とする以上に」と述べたといいます。
さらに「自分がNATOを救った」との主張を繰り返し、いざという時に同盟国が米国を支えるか確信が持てない、という趣旨の発言も行いました。
「ロシアや中国本土の艦艇が周辺に」主張、外交筋は否定
トランプ大統領は、グリーンランド周辺にロシアや中国本土の軍艦・潜水艦が「至る所にいる」と述べ、国家安全保障上の理由から米国がグリーンランドを「所有」する必要があると主張しました。ただし、この点について具体的な根拠は示さなかったとされています。
これに対し、英紙フィナンシャル・タイムズは同日、NATOの情報ブリーフィングにアクセスできる北欧の上級外交官(2人のうちの1人)の話として、「情報(インテリジェンス)を見たが、艦船も潜水艦もいない」と伝えました。2人の外交官は、近年グリーンランド周辺でロシアや中国本土の艦船・潜水艦が活動している証拠はないと述べ、トランプ大統領の主張と食い違う見解を示したとされています。
また、米メディアPoliticoによると、ノルウェーのエスペン・バルト・エイデ外相も放送局NRKに対し、グリーンランド近海でのロシアや中国本土の活動は「非常に少ない」と述べたと報じられました。
いま焦点になるのは「安全保障」と「同盟の信頼」の交差点
今回の発言は、領有や獲得という踏み込んだ表現が、NATO内の信頼関係や欧州側の受け止めにどう影響するのか、という論点を浮かび上がらせています。同時に、「周辺海域の脅威認識」をめぐって、米側の主張と外交筋の認識が割れている点も、今後の議論の火種になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








